眼鏡を選ぶとき、「クラシックなデザインは好きだけれど、古くさく見えるのは避けたい」と迷ったことはありませんか。私も長いあいだ、この二つの条件の間で揺れていました。その両方に答えをくれたのがEYEVAN(アイヴァン)です。EYEVANは1972年に生まれた日本のアイウェアブランドで、「着る眼鏡」というコンセプトを掲げています。この記事では、ブランドの歴史から名作モデル、5つのライン、価格帯、買える場所までを整理します。読み終える頃には、自分の一本になり得るかどうかが見えてくるはずです。
眼鏡が好きな方なら、一度は名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。かくいう私もEYEVANの大ファンで、現在2本を所有しています。クラシックで普遍的なデザインなのに、ちゃんと今っぽさも感じられる。そして「この眼鏡はEYEVANかな」と感じ取れる個性があります。50年を超える老舗ブランドを、一緒に深掘りしていきましょう。
EYEVANを知ったきっかけは、YouTubeの「D-Eye眼鏡チャンネル」でした。九州の眼鏡店・中原眼鏡店が運営する番組で幾度となく紹介されていて、「おしゃれなモデルがそろっているブランドだ」ということは早くから知っていました。ただ、実際に手に入れたのは意外にも最近のことです。
私は人と少し違うもの、被らないものを好む傾向があります。そのせいか、無意識のうちに定番であるEYEVANとは少し距離を置いていたのかもしれません。それでも、番組で見かけるモデルも、店頭で見かけるモデルも「おしゃれだな」と思う記憶ばかりで、実はずっと気になっていたのだと思います。
そんな中、雑誌でJulius Tart Opticalの「Boeing」というモデルと、Lesca Lunetierの「PICA」というモデルに興味を持ち、どちらも実際に試着してみました。かっこいいとは思ったものの、少し主張が強く、自分にはわずかに合わない印象でした。そんな折にたまたま見つけたのが、EYEVANのSullivanとSadlerです。SullivanはBoeingをほんの少し柔らかくして掛けやすくしたような印象、SadlerはPICAの強めのエッジを丸くして日本人に似合いやすくしたような印象で、どちらもすっと馴染みました。購入したタイミングは少し間が空いていますが、どちらも今ではお気に入りです。改めて感じるのは、EYEVANは定番モデルをEYEVANらしくアレンジしていて、「これぞ日本のブランド」という印象が強いということです。
EYEVAN(アイヴァン)とはどんなブランド?「着る眼鏡」から始まった日本初の挑戦
EYEVANは1972年に誕生した日本のアイウェアブランドです。公式のヒストリーでは、「着る眼鏡」をコンセプトに掲げた日本初のファッションアイウェアブランドとして発足した、と説明されています。
つまり、眼鏡を「視力を補う道具」ではなく「身にまとう服の一部」として設計する。それが出発点だったわけです。
1972年——眼鏡が「道具」だった時代に生まれた
EYEVANの歴史をたどると、1911年に大阪で設立された山本レンズ製作所に行き着きます。1935年には山本防塵眼鏡製作所へと改組し、防塵用の眼鏡を手がける会社として歩んでいました。
転機は1968年です。山本哲司会長が世界一周の旅で本場のファッションに触れました。そこで得た感覚が、4年後のブランド誕生につながります。
当時の日本で、眼鏡はまだ「必要だからかけるもの」でした。おしゃれのために選ぶ対象ではなかったのです。そこへ「ファッションとしての眼鏡」を持ち込んだのがEYEVANでした。
ブランド名の「目のVAN」に込められたもの——石津謙介氏との縁
EYEVANという名前は、石津謙介氏によって「”目”のVAN」という意味で名づけられました。
石津謙介氏は、VANヂャケット(ヴァンヂャケット)の創業者です。日本にアイビールックを広め、「メンズファッションの神様」とも呼ばれた人物です。1911年10月20日生まれ、2005年5月24日に肺炎のため93歳で亡くなっています。寝たきりになってもパジャマを着ることを拒み、最後までファッションにこだわり続けたという逸話が残っています。
余談ですが、石津謙介氏が生まれた1911年は、EYEVANの源流である山本レンズ製作所が設立された年でもあります。
日本の男性ファッションの方向を決めた人物が、眼鏡ブランドの名付け親になった。この事実だけで、EYEVANがどこを向いて生まれたブランドなのかが伝わってきませんか。服の文脈から生まれた眼鏡だったのです。
「着る眼鏡」というコンセプトが意味すること
「着る眼鏡」という言葉は、ただのキャッチコピーではありません。設計の優先順位を示しています。
- 視力矯正の性能だけでなく、かけた人がどう見えるかを起点にする
- 顔単体ではなく、服装や全身のバランスの中で考える
- 流行を追うのではなく、長く着られる服のように普遍性を持たせる
私が2本を使っていて感じるのも、まさにこの点です。服を選ぶときと同じ感覚で、眼鏡を選べる。そういう立ち位置のブランドだと思います。
眼鏡にのめり込んでいく感覚そのものに興味がある方は、沼落ち日記〜眼鏡編〜もあわせてどうぞ。私が「道具」から「沼」へ落ちていった経緯を書いています。
EYEVANの5つのラインをどう見分ける?
EYEVANを調べ始めると、よく似た名前がいくつも出てきて戸惑うはずです。「EYEVAN 7285って別のブランド?」「10 eyevanとの違いは?」と混乱しますよね。まずここを整理しておきます。
主なラインは5つある
現在、EYEVANの名を冠したアイウェアには主に次の5つのラインがあります。
| ライン | 登場年 | 公式・取扱店で確認できた位置づけ |
|---|---|---|
| EYEVAN | 1972年(2018年に復活) | ブランドの本流にあたるメインライン。最もスタンダードな定番ラインとして案内されています |
| EYEVAN 7285 | 2013年 | オリジナルのEYEVANにインスパイアされ、再構築されたラインです |
| E5 eyevan | — | 「Form follows role and purpose」という生物学的な思想に影響を受け、本質的な機能を追求するラインです |
| 10 eyevan | 2017年 | 2017年にローンチされた比較的新しいラインです |
| Eyevol | 2017年 | 同じく2017年にローンチされたラインです |
このほかにグループの展開として「e_BY EYEVAN」や、コラボレーションブランドの「iNtimité by EYEVAN」もあります。「5つ」という数え方は、あくまで主要なアイウェアのラインを指しています。
この記事が掘り下げるのはメインライン「EYEVAN」
ここで大事なことをお伝えします。この記事が扱うのは、いちばん上のメインライン「EYEVAN」です。
ネット上の記事では、5つのラインをまとめて薄く紹介して終わるものが少なくありません。ただ、それでは「結局どれを買えばいいのか」が見えにくいままです。
各ラインはそれぞれ独自のコンセプトを持っています。EYEVAN 7285については、所有者の視点でEYEVAN 7285の評判と特徴にまとめました。10 eyevanについても、10eyevanの評判と特徴に所有者の視点でまとめています。E5 eyevanの詳細を知りたい場合は、公式サイトや取扱店のページを見るほうが正確です。この記事では、ブランドの本流であるEYEVANに絞って掘り下げます。
私はEYEVANのほかに「EYEVAN 7285」と「10 eyevan」も店頭で見かけたことがあり、実はそれぞれ1本ずつ所有しています。EYEVANとの違いを挙げるなら、後者2ラインのほうが高級感とモデルごとの独自性を強く感じる点でしょうか。
これは良し悪しで語れるものではありませんが、人とちょっと違う眼鏡を探している方には、価格は少し上がっても「EYEVAN 7285」や「10 eyevan」を選ぶほうが満足感は高いかもしれません。とはいえEYEVANも負けず劣らずおしゃれで個性的なモデルがそろっています。創業当時からのアーカイブをもとに過去の名作を忠実に再現しているぶん、クラシックで飽きの来ないモデルが多いのも魅力です。価格も他の2ラインより手に取りやすいので、初めてのおしゃれ眼鏡としても有力な選択肢だと思います。
EYEVANの歴史を彩った名作と転機
ブランドの50年を、モデルと出来事で追ってみます。ここを知ると、店頭で並んでいる一本の見え方が変わります。
1977年——「ボストン」「ウェリントン」を広めた「Ivy Leaguers」
誕生から5年後の1977年、学生向けブランド「Ivy Leaguers」が大ヒットしました。このとき、ボストンとウェリントンが学生の定番になったと公式のヒストリーには記されています。
正規取扱店の解説では、当時のモデル「AU-5004」が「ウェリントン」という名称のもとで逆台形のシェイプを定着させた、と紹介されています。
今の私たちが当たり前に使っている「ボストン」「ウェリントン」という呼び名。その広まりの背景に、このブランドがいたわけです。眼鏡の言葉づかいそのものに影響を与えたブランド、と言い換えてもいいかもしれません。
鯖江へ、そして世界へ
1980年代から90年代にかけて、EYEVANは製造と販路の両面で足場を固めていきます。
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1985年 | 山本光学がアイヴァンを吸収し、鯖江市に「オプテックジャパン株式会社」を設立。EYEVAN CRAFT FACTORYも同時に開設 |
| 1987年 | 「EYEVAN CRAFT」を発表 |
| 1989年 | オリバーピープルズ社とライセンス契約を締結 |
| 1992年 | マドンナなど海外のセレブリティに愛用され、『The New York Times』に掲載される |
| 1993年 | ポール・スミスのアイウェアの製造・販売ライセンス契約を締結 |
注目したいのは1985年です。眼鏡の産地である鯖江に、製造を担う「オプテックジャパン株式会社」を新たに設立し、自社の工場を構えました。デザインだけを外に出すのではなく、作る場所そのものを産地の中に置いたのです。
1989年のオリバーピープルズ社とのライセンス契約は、アメリカ市場への入口になりました。ロサンゼルス発のこのブランドについては、Oliver Peoplesの評判と特徴【2026年版】で詳しく解説しています。同じ時代に太平洋の両側で何が起きていたのか、あわせて読むと立体的に見えてきます。
2003年の休止と、2018年の復活
ここからが、EYEVANを語るうえで外せない部分です。
2003年、EYEVANブランドは一度休止します。50年以上の歴史の中で、およそ15年の空白があったわけです。
その間、ブランドは止まっていたわけではありません。2013年に「EYEVAN 7285」がローンチされ、2017年には「10 eyevan」と「Eyevol」が加わりました。オリジナルへの敬意を持った派生ラインが育っていったのです。
そして2018年、EYEVANが復活します。正規取扱店の解説では、1980年代のアイコンモデルを再現する「Capsule collection」という形でのリローンチだったと紹介されています。
新作を並べて再出発するのではなく、過去の名作に立ち戻るところから復活した。この順番に、ブランドの姿勢が表れていると私は感じます。
定番として残る「E-0505」
復活後の現行ラインでも、名作の型番はそのまま生き続けています。その代表格が「E-0505」です。
正規取扱店のポンメガネでは、E-0505の45サイズ・47サイズがいずれも税込46,200円で扱われています(2026年9月時点)。型番がそのまま残り、サイズ展開まで用意されている。長く売れ続けているモデルだということが、この一点からも分かります。
実はE-0505も密かに狙っているモデルなのですが、まだ手に入れられていません。その代わり、EYEVANを代表する2本、SullivanとSadlerを所有しています。
Sullivanはスクエア感のある(縦幅が抑えられた)ウェリントンで、誠実な印象があり職場での日常使いにぴったりです。一方のSadlerはマイルドなパリジャンシェイプで、少しカジュアル寄りの個性的な一本。休日のお出かけのアクセントに使うことが多いです。系統の違う2本なので掛けるシーンが被らず、どちらも活躍の場があります。
50周年(2022年)と、2026年の「ヒストリック コレクション」
2022年、EYEVANは50周年を迎え、「EYEVAN 50th Anniversary Runway」を開催しました。眼鏡ブランドがランウェイショーを行うという発想自体、「着る眼鏡」を掲げてきたブランドらしい選択です。
そして2026年7月、「EYEVAN HISTORIC COLLECTION」がローンチされました。創業期のモデルを復刻するコレクションです。
このコレクションで興味深いのは、素材の選び方です。現代のチタンを使うのではなく、創業期に近い合金素材をあえて採用しています。立体的な彫り込みの表現や、深みのあるメッキ仕上げを再現するためです。現存する資料や実物のヴィンテージを検証して、当時のデザイン・素材・製法に忠実に再構築したと説明されています。
先ほど触れた1977年の「AU-5004」、そして「AU-5003」も、このコレクションで復刻されました。価格はいずれも税込47,300円です(2026年9月時点)。
古いモデルの形だけを借りるのではなく、当時の作り方まで戻る。手間のかかる選択ですが、ブランドの原点を確かめる作業だったのだろうと思います。
現在のEYEVANはどんな眼鏡を作っている?
歴史が長いブランドほど、「今も良いものを作っているのか」が気になりますよね。2026年時点の状況を見ていきます。
2026年秋冬コレクションのデザイン傾向
2026年秋冬は、ブランドとして16回目のコレクションにあたります。テーマは「Inspiration Trip to LOS ANGELES」です。
正規取扱店のPOKER FACEで確認できた主なモデルを挙げます(価格は税込・2026年9月時点)。
| モデル | 価格 | 特徴として案内されている内容 |
|---|---|---|
| Webb-Sq(49) | 42,900円 | 定番Webbのサイズを大きくしたモデル。フロントに厚みを持たせ、カシメ丁番を採用 |
| Oakwood(49) | 45,100円 | 1940年代のフランスのヴィンテージフレームをベースにしたモデル |
| Imperial | 61,600円 | 1990年代の日本ブランドが手がけたメタルフレームのレンズ形状と、1950年代アメリカのセーフティグラスにインスパイアされた立体的なブリッジから着想したサーモント |
| Traction | 55,000円 | ストレートアーマーのツーポイント。チタンのブロック材を0.1mm単位で削り出す設計 |
| Sparkle-FP | 64,900円 | ミニマルなブリッジとラウンドレンズを組み合わせた、跳ね上げ式のメタルフレーム |
眺めていて分かるのは、参照先が「1940年代のフランス」「1950年代のセーフティグラス」「1990年代の日本ブランド」と、過去のあちこちに散らばっていることです。
そして、その解釈にはカシメ丁番や0.1mm単位の削り出しといった現代の加工技術が使われています。だからこそ「クラシックなのに古くない」という印象になるのだと思います。
「クラシックで普遍的なのに今っぽさもある」という点は、あちこちで感じます。まずシェイプです。多くのモデルは過去の名作のアーカイブから型を起こしたような、定番のクラシックな形をしていますが、そこにEYEVANなりの解釈がしっかり込められています。テンプルの芯材のこだわりや、少し変わった玉形、カシメ飾りの独特なあしらいなど、細部を見ていくと発見があります。
私が特に好きなのは、ボストンシェイプのリムでありながら、少しティアドロップのように垂れ下がった印象のあるモデルです。ほどよくナードっぽさが出ていて、おしゃれだなと思った記憶があります(YouTubeで見た記憶なので、細部の記憶違いがあったらすみません)。定番のシェイプに少し遊び心をプラスする感覚が、EYEVANの眼鏡には割と共通している気がします。
鯖江×三工光学という製造体制
2024年7月、EYEVANは大きな体制変更を発表しました。株式会社三工光学との資本業務提携です。
三工光学は1923年創業、福井県鯖江市の眼鏡メーカーです。熟練のマイスターが眼鏡づくりに携わる、100年企業として紹介されています。この提携により、三工光学はEYEVANグループの一員になりました。
意味があるのは、この2社の関係です。三工光学は、1972年のEYEVAN誕生時にファーストコレクションを共に創り上げたパートナーでした。約50年を経ての再会だったのです。
この提携によって、EYEVANは「企画・卸売」「小売」「製造」という3つの機能を持つことになりました。デザインから作りまでを自分たちの中で完結できる体制です。
なぜこれが読者にとって重要なのでしょうか。眼鏡ブランドの多くは、企画は自社で行い製造は外部の工場に委ねています。それ自体は珍しくありません。ただ、製造を内側に取り込んだ場合、細かな仕様の詰めや品質の管理を自分たちの判断で進めやすくなります。「メイド・イン・サバエ」を掲げ続けられる土台が、構造として整ったわけです。
鯖江がなぜ世界的な眼鏡の産地と呼ばれるのかは、メガネの産地って何が違うの?鯖江が「世界が認める聖地」と呼ばれる理由にまとめています。背景を知ると、この提携の意味も見え方が変わってきます。
宝塚歌劇団とのコラボレーション
もうひとつ、直近の動きとして宝塚歌劇団との取り組みがあります。
2025年3月から、雪組トップスターの朝美絢さんがEYEVANのグローバルブランドアンバサダーに就任しました。2026年2月には、同じ雪組のトップ娘役に就任した音彩唯さんも加わっています。公式サイトでは、宝塚歌劇団の繊細な表現力と存在感が、EYEVANのクラフトマンシップと美意識に深く共鳴すると説明されています。
2025年10月には、宝塚駅前に「SeeP EYEVAN TAKARAZUKA」がオープンしました。2026年1月には、ブランド史上初となる宝塚歌劇の貸切公演も行われています。
「着る眼鏡」を掲げるブランドが、舞台芸術と手を組む。方向性としては筋が通った動きだと感じます。
EYEVANの価格帯は高い?購入前に知っておきたいこと
デザインや歴史に惹かれても、現実的な条件が合わなければ選べません。ここは正直に見ていきます。
フレーム価格の目安
メインラインEYEVANの価格は、2026年9月時点で次のあたりが目安です。
| 種別 | 価格の目安(2026年9月時点・税込) |
|---|---|
| メガネ(現行の中心帯) | 42,900円〜64,900円 |
| 定番モデル(E-0505など) | 46,200円前後 |
| ヒストリック コレクション(AU-5003・AU-5004) | 47,300円 |
| サングラス | 49,500円〜63,800円 |
高いと感じるでしょうか。それとも意外と手が届くと思われたでしょうか。
比較の材料をひとつ挙げます。国内外の独立系ブランドは、5万円台から10万円を超える価格帯も珍しくありません。そのなかでEYEVANのメインラインは、4万円台から入れる位置にあります。50年以上の歴史を持つブランドで、鯖江製。その条件を踏まえると、無理のない設定だといえます。
ただし、これはあくまで私が確認した時点の表示価格です。モデルによって幅がありますし、価格は改定されることもあります。購入前に公式サイトや取扱店で最新の価格を確認してください。度付きレンズを入れる場合は、別途レンズ代がかかる点にも注意が必要です。
素材によって掛け心地や見た目の印象がどう変わるかは、眼鏡フレームの素材の種類と選び方で解説しています。アセテートとチタンの違いを知っておくと、モデル選びの判断が早くなります。
どこで買える?正規取扱店の見つけ方
EYEVANは、どこでも買えるブランドではありません。購入先は大きく次のとおりです。
- アイウェアのセレクトショップ:POKER FACE、ポンメガネなどが正規取扱店として扱っています
- 眼鏡専門店・百貨店の眼鏡売場:パリミキなど、全国の取扱店で扱いがあります
- ブランドの直営ショップ:「SeeP EYEVAN」など、EYEVANグループが運営する店舗があります
いちばん確実なのは、公式サイトのSTOREページで取扱店を調べる方法です。取扱店は全国にありますが、店舗ごとに扱うラインやモデルが異なります。
初めての一本であれば、実店舗で試すことをおすすめします。EYEVANは「かけたときにどう見えるか」を起点に設計されたブランドです。写真では、顔まわりの余白や存在感の加減までは伝わりません。
購入したのは、百貨店などによく入っている、眼鏡のセレクトショップです。おしゃれなモデルが多く、接客も丁寧で気に入っています。
あくまで私の好みですが、眼鏡店については、ある程度眺めていると店員さんから声をかけてもらえるお店が好みです。声がかからなければ自分から話しかけて、いろいろ話を聞いてもらいながら似合う・似合わないを判断してもらいます。最初のお目当てとはまったく違うシェイプを選ぶことも度々ありますが、それで後悔した経験は今のところありません。
眼鏡店の店員さんは、本当に眼鏡が好きな方が多く、話していて楽しいですし、自分より詳しいので選ぶときの参考になります。
クラシックを日常で纏いたい人へ
ここまで読んで、「良さそうだけれど自分に合うだろうか」と迷っている方もいると思います。判断材料を整理します。
EYEVANを選ぶ人に共通する眼鏡観
- 流行より普遍性を大事にしたい人:数年で古びるデザインではなく、長く使える形を求める方に合います
- でも「古くさい」のは嫌な人:クラシックな型に現代の加工技術が入っているため、懐古趣味にはなりません
- 服と眼鏡をセットで考えたい人:「着る眼鏡」という出発点そのものが、この発想と一致します
- さりげない個性が欲しい人:ロゴで主張するのではなく、形と作りで分かるタイプのブランドです
- 鯖江の作りに価値を感じる人:1985年に鯖江へ製造拠点(オプテックジャパン)を設けて以来、産地に工場を構え、2024年には製造機能をグループ内に取り込みました
- ブランドの背景ごと好きになりたい人:50年以上の物語があり、名付け親は石津謙介氏です
同じ日本の独立系でも、もっと攻めた個性が好みならEFFECTORの評判と特徴【2026年版】も比べてみてください。方向性は対照的ですが、「量産型では物足りない」という気持ちに応える点は共通しています。
「ちょっと違うかも」と感じる人へ
- できるだけ安く抑えたい人:レンズ代を含めると総額が5万円を大きく超えることが多く、優先順位によっては合いません
- ひと目で分かるブランドロゴが欲しい人:EYEVANは控えめな主張のブランドなので、記号性を求める方には物足りないかもしれません
- 最新のトレンドを追いたい人:過去のアーカイブを参照する設計が中心のため、今季らしさを最優先する方とは相性が異なります
- 試着せずに通販で完結させたい人:かけたときの印象が価値の中心にあるブランドなので、実物を見ずに選ぶのは惜しいです
最後の項目に当てはまる方へ、ひとつ提案があります。いきなり4万円台のフレームに挑戦する前に、手頃な価格帯で「クラシックな形のフレーム」を一度試してみるのが現実的です。ボストンやウェリントンが自分の顔とどう合うのか、低いリスクで確認できます。そのうえでEYEVANに進めば、選ぶときの判断がぶれません。
「EYEVANを誰に薦めたいか」と聞かれたら、私はこう答えます。「おしゃれな眼鏡を試してみたいけど、買って後悔したくない人」。
少し不思議な言い方かもしれませんが、理由はこうです。EYEVANの眼鏡はおしゃれなモデルが多いのは間違いありません。ただ、各モデルとも形をマイルドにして、クラシックな眼鏡が持つ主張の強さをやわらげているものが多いんです。さらに日本のブランドなので、日本人の骨格に合った作りが多いことも理由のひとつです。
見た目だけで「おしゃれ!」と思って値の張る買い物をしたのに、いざ仕上がってかけてみると主張が強すぎて「眼鏡にかけられている」ように感じてしまう。癖の強いモデルにはこうした「あるある」が少なからずあります。EYEVANの眼鏡では、こういう思いをすることが少ないと個人的には感じています。かける人を選ばない普遍的なモデルに、ちょっとだけスパイスを効かせておしゃれにする。そんな、ちょうどいい塩梅のモデルが多い印象です。
※当記事のリンクには広告(PR)が含まれます。
このフレームを長く使うために
EYEVANのフレームは、クラシックな造形をていねいな仕上げで見せるタイプの眼鏡です。だからこそ、面の艶や彫りの陰影が指紋や皮脂の跡で鈍ってしまうと、せっかくの雰囲気が半分になってしまいます。長く気持ちよく使い続けるために、日々の手入れを少しだけ整えておくことをおすすめします。
フレームの艶を守る(セルロイド・アセテート素材向け)
セルロイドやアセテートのフレームは、使い続けると表面が白くくすんでくることがあります。眼鏡専門ブランドDJUALのポリッシングクリームを使えば、自宅で新品のような艶を取り戻せます。チタン・メタルフレームには不要ですが、アセテートやセルロイドを使用したモデルにお使いください。
ご注意: マット加工(艶消し加工)を施したフレームには使用できません。また、レンズ部分には絶対に使用しないでください。ご使用前にフレームの仕上げをご確認ください。
※当記事のリンクには広告(PR)が含まれます。
レンズを毎日清潔に
世界的光学ブランドZEISSの個包装ワイプは、全世界で年間10億個販売されている定番品。外出先でもすぐに使えて、コーティングレンズを傷めません。
ご注意: コンタクトレンズには使用できません。レンズにゴミや砂粒が付着した状態で拭くと傷がつく恐れがあります。使用前にレンズの表面をご確認のうえ、開封後はすぐにご使用ください。
※当記事のリンクには広告(PR)が含まれます。
仕上げは天然セーム革のクロスで
春日のキョンセームは、天然素材ならではのやさしい拭き心地が特徴。細かい繊維が油分・指紋をしっかり絡め取り、拭き傷をつけません。
ご注意: Amazon等では中国製の類似品が流通しています。正規品の春日(KASUGA)製品はパッケージおよびクロス表面(光沢面)に「春日」または「KASUGA」のロゴが入っています。ご購入の際は販売元が「春日」であることをご確認ください。
※当記事のリンクには広告(PR)が含まれます。
まとめ:2本愛用して感じるEYEVANの普遍性
EYEVANは、1972年に「着る眼鏡」というコンセプトを掲げて誕生した日本のアイウェアブランドです。名付け親は、VANヂャケットの創業者・石津謙介氏でした。服の文脈から生まれた眼鏡だという出自が、今のデザインにもそのまま続いています。
歴史を振り返ると、1977年の「Ivy Leaguers」で「ボストン」「ウェリントン」という呼び名が広まり、1985年には産地である鯖江に製造拠点(オプテックジャパン)を新設しました。1989年にはオリバーピープルズ社とのライセンス契約で海外へ。2003年に一度休止しながらも、2018年に1980年代の名作を再構築する形で復活しています。
現在のメインラインは、42,900円から64,900円あたりが中心です。E-0505のような定番の型番が残り、2026年7月には創業期のモデルを当時の素材・製法で復刻する「HISTORIC COLLECTION」も登場しました。2024年には1923年創業の三工光学と資本業務提携し、製造機能をグループ内に迎えています。
私が2本を使って感じるのは、「クラシックで普遍的なのに、ちゃんと今っぽさもある」という一点です。この両立は、言葉にすると簡単ですが実現している眼鏡はそう多くありません。代表的な名作も数揃えていて、さすが国内有数の眼鏡ブランドだなと思わされます。
EYEVANの2本は、今もどちらも現役です。飽きの来ない普遍的なシェイプだからこそだと思います。次に狙っているのは「E-0505」と「Webb」。どちらもボストンの丸みを感じさせるシェイプです。
これからも、私のお気に入りのEYEVANが少しずつ増えていきそうな予感がしています。
気になった方は、ぜひ一度実物をかけて鏡を見てみてください。顔だけでなく、全身が映る鏡で見るのがおすすめです。「着る眼鏡」というコンセプトの意味が、そこでいちばんよく伝わると思います。
※当記事のリンクには広告(PR)が含まれます。