Tom Ford(トムフォード)の評判と特徴を徹底解説【2026年版】|007も選んだ「T」の美学 - 眼鏡サプリ

「ラグジュアリーな眼鏡」と聞いて、まっさきにトムフォードを思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。テンプルに光る「T」のマーク。あれを見た瞬間に「トムフォードだ」と分かってしまう——そんな存在感を持つブランドです。

ただ、名前は知っていても「誰がいつ作ったのか」「どのモデルが名作なのか」「実際いくらなのか」までは、意外と語られていません。この記事では、ブランドの成り立ちから名作モデル、007が選んだ3本、2026年に選べるライン、価格の目安までを順に整理します。読み終わるころには、あの「T」が何を意味しているのかが見えているはずです。


目次 Outline

Tom Fordの眼鏡はなぜ一目でわかるのか?

結論からいえば、トムフォードのアイウェアを見分けているのは、テンプル(つる)に配置されたメタルの「T」です。ロゴを大きく主張するのではなく、金具そのものを「T」の形にしてしまう。この一手が、ブランドの顔になっています。

「T」はロゴではなく、フレームの構造そのもの

生産と流通を担うイタリアのマルコリン社は、公式サイトでこの意匠を「フレームに生命を吹き込む、優雅なメタルの『T』」と説明し、ブランドの紛れもない証だと位置づけています。日本の正規取扱店でも「テンプルに施された『T』のシグネチャーロゴ」という表現が使われています。

面白いのは、この「T」が飾りとして貼り付けられているわけではない点です。フロントからテンプルへとつながる金属パーツが、そのまま「T」の形をなしています。だから正面から見ても、横から見ても、ブランドの署名が視界に入ります。

なぜここまで効くのだと思いますか。理由はシンプルで、ロゴを読ませていないからです。文字を読むのではなく、形として認識させる。だからこそ、遠目でも、写真越しでも伝わるわけです。

クラシックからモダンまで——シェイプの幅が広い理由

もうひとつの特徴が、形の幅広さです。1960年代を思わせる太いセルフレームから、シャープなメタルのアビエーターまで、同じブランドの中に別々の顔が同居しています。

日本向けの「ICON COLLECTION」の紹介文では、このコレクションが国際的なジェットセッターのタイムレスな魅力に着想を得ていること、そして「クリーンで官能的なライン」「大胆なボリュームと完璧なプロポーション」がデザインの軸であることが説明されています。メンズについては、テンプルの内部に見えるメタル・コアが時計製造の世界を思わせる、とも紹介されています。

つまり、狙っているのは「奇抜さ」ではありません。普遍的なシェイプを、素材と仕上げで格上げする。だから流行から外れにくく、長く掛けられる一本になりやすいのです。

私が「T」に気づいたときの話と、少しだけ引っかかっていること

眼鏡のことがあまり詳しくなかった頃の話です。街でおしゃれな眼鏡を掛けている人を見かけると、なぜか智(ち)の部分からテンプルにかけて「T」の文字をあしらった眼鏡が多いなぁと思っていました。智とは、フロントの両端にあってテンプルへとつながる部分のことです。後になっていろいろ調べると、それが「トムフォード」の眼鏡の特徴だと知りました。

今もそうですが、ラグジュアリーな眼鏡といえば「トムフォード」を思い浮かべる方は、やはり多いのではないでしょうか。

ただ(トムフォードが大好きな方はすみません)、YouTubeの眼鏡チャンネルを見ていると、少し違う感想も耳にします。

眼鏡は最終的に、眼鏡士の方にフィッティングをしてもらって掛け心地を調整します。その際にフロントの角度を調整したり、テンプルを曲げたりします。「T」マークは、智からテンプルにかけてあしらわれている装飾です。調整の際に「T」マークが綺麗に合わなくなる可能性もあり、デザイン優先な印象があるように思えます。

また、あまりにも「T」マークの主張が強いため、ブランドイメージが前面に出過ぎてビジネス向けではない、といった意見も聞いたことがあります。価格も良いお値段であるだけに、用途をよく考えて購入を検討した方が良いと思います。(あくまでも個人的な意見です)

この「主張の強さ」をどう受け止めるかは、人によって大きく変わる部分です。記事の後半で、向いている人・気をつけたい人としてあらためて整理します。


グッチを立て直した男が、自分の名前で始めたこと

トムフォードというブランドを理解するには、創業者トム・フォード(Tom Ford)という人物のキャリアを知るのが近道です。彼はアイウェアの世界から出てきた人ではありません。ファッションの最前線を10年間走り切ったうえで、自分の名前を掲げた人です。

テキサス生まれのデザイナーが、グッチを変えた10年

トム・フォードは1961年8月27日、アメリカ・テキサス州オースティンの生まれです。1994年から2004年まで、グッチのクリエイティブディレクターを務めました。

この10年でグッチがどう変わったか。売上高は1994年の約2億3,000万ドルから、2003年には約30億ドル近くまで伸びたと伝えられています。低迷していたブランドが、90年代を代表する存在に生まれ変わったわけです。1999年にグッチグループがイヴ・サンローランを傘下に収めると、彼はそちらのクリエイティブディレクターも兼任しました。

2004年にグッチを離れ、翌2005年、かつてのグッチグループ会長ドメニコ・デ・ソーレ氏とともに自身の名を冠したブランドを立ち上げます。

2005年10月、アイウェアからブランドが動き出した

ブランドが最初に世へ出した製品カテゴリーのひとつが、アイウェアでした。

マルコリン社によれば、トムフォードのアイウェアコレクションは2005年10月にローンチしています。ファッションブランドが後からアイウェアを追加したのではなく、ブランドの立ち上げとほぼ同時にアイウェアが動き出した——この順番は、トムフォードにとって眼鏡が「おまけ」ではないことを物語っています。

なお、ローンチ時のコレクションに含まれていた具体的なモデル名までは、公式に確認できませんでした。ただ、品番の若いWhitney(FT0009)が今も現行の定番として扱われていることからは、初期のデザインが20年近く通用してきた事実がうかがえます。

エスティローダーによる買収と、マルコリンの永続ライセンス

ここは少し複雑ですが、ブランドの現在地を知るうえで大切な部分です。順を追って整理します。

2022年11月15日、米エスティローダー・カンパニーズがトムフォード・ブランドの買収を発表しました。企業価値ベースで28億ドルという規模です。取引は2023年前半に完了し、ブランドと知的財産はエスティローダーの所有となりました。

創業者トム・フォード氏は、買収完了後も2023年末までクリエイティブ・ビジョナリーとしてブランドに関わると発表されています。その後、2023年4月にピーター・ホーキングス氏がクリエイティブディレクターに就任、2024年7月に退任しました。2024年9月にはハイダー・アッカーマン氏が後任として発表され、2025年3月のパリで最初のコレクションを発表しています。

つまり現在、創業者本人はブランドのクリエイティブ職から離れています。「今もトム・フォード氏がデザインしている」という説明を見かけることがありますが、公表されている情報とは異なります。

一方、アイウェアの作り手は変わっていません。マルコリン社は買収を機に、トムフォード・アイウェアの永続(perpetual)ライセンス契約を締結しました。前払い金は2億5,000万ドルと報じられています。オーナーが替わっても、眼鏡を作る会社は同じ——ここは購入を考えるうえで安心材料になります。


Whitney、Cary、そして『シングルマン』の一本

ブランドの歴史を語るとき、必ず名前が挙がるモデルがあります。マルコリン社が象徴的なスタイルとして挙げているのは、Whitney(ホイットニー)、Jennifer(ジェニファー)、Cary(キャリー)、Leo(レオ)です。

Whitney——大ぶりなフォルムが定番になったサングラス

Whitney(品番FT0009)は、トムフォードのサングラスを代表する一本です。日本の販売店では「バタフライ型」として案内されている、レンズの大きなシェイプです。目尻に向かって外側へ跳ね上がる輪郭が、このモデルの顔になっています。

このモデルが長く支持されてきた理由は、輪郭のはっきりしたデザインにあります。顔の中で存在感を持ちつつ、形そのものはクラシック。だから流行に引きずられません。

Whitneyはその大胆なシルエットから、ハリウッドを代表する女優たちにも愛されてきたモデルです。シャーリーズ・セロン、アンジェリーナ・ジョリーらが着用したことでも知られています。

Cary——ボリュームのあるウェリントン

Cary(キャリー/品番FT0058)も、マルコリン社が象徴的なスタイルに挙げている一本です。日本の販売店では「ウェリントン型」として案内されています。

特徴は、レンズの縦幅がしっかりあるボリューム感です。フロントの上端が軽く跳ね上がっていて、正面から見たときに表情が出ます。サイズは大きめですが、輪郭は定番のウェリントン。だから思っているより顔になじみやすい形です。

うれしいのは、品番の末尾に「F」が付くアジアンフィット仕様が用意されている点です。大きめのサングラスはずり落ちが気になりやすい部分なので、ここは選ぶときの安心材料になります。ボリュームのある形が気になる方は、まず店頭で掛けてみてください。写真で見た印象と、掛けたときの印象がいちばん変わるタイプのモデルです。

『シングルマン』のTF5178——映画から生まれた眼鏡

トムフォードの眼鏡(クリアレンズ)で語り継がれているのが、TF5178です。

2009年、トム・フォード氏は映画監督としてもデビューします。作品名は『シングルマン』。主演のコリン・ファースが劇中で掛けていた、太いフレームの黒縁眼鏡が大きな話題になりました。

伝えられるところでは、劇中で使われた眼鏡はコリン・ファース自身が小道具の箱から見つけたもので、当初はトムフォードの製品ではなかったといいます。その後、映画の眼鏡に着想を得たモデルとして、2011年春夏のアイウェアコレクションでTF5178が登場したとされています。

このTF5178は、日本の正規取扱店でも「シングルマンのモデル」として今なお定番的に扱われています。映画がきっかけで生まれた眼鏡が、15年以上たっても現役——なかなかない話だと思いませんか。

私の記憶に残っているのは、やっぱりあの作品

トムフォードの眼鏡を着用している映画で印象に残っているのは、なんといっても007ですね。ダニエル・クレイグの渋さと相まって、ものすごくかっこいいイメージがあります。

もともとアクションものの映画は大好きで、ジェームズ・ボンドには憧れもあります。だから、ついつい欲しくなってしまう瞬間でした(笑)。

モデルについては「Snowdon」(ネットで調べました)。形も万人受けする、少し柔らかい輪郭のウェリントンシェイプです。興味のある方は、ぜひ確認してみてください。

そのSnowdonを含め、007で着用された3本については、このあとの「ジェームズ・ボンドが選んだ3本」で作品ごとに整理します。


2026年に選べるライン——ICONとPRIVATEの違い

「トムフォードの眼鏡を買う」と決めたとき、まず知っておきたいのがラインの違いです。大きく分けると、標準ラインにあたるICON COLLECTIONと、素材で差をつけたPRIVATE COLLECTIONの2方向があります。

ICON COLLECTION——「T」が主役の定番ライン

日本の店頭で目にする多くのモデルが、このラインに属します。アセテートのセルフレーム、メタルのアビエーター、そのミックスまで、シェイプの選択肢が広いのが特徴です。

日本向けの紹介では、クリーンで官能的なライン、大胆なボリューム、完璧なプロポーションという表現でデザインの方向性が語られています。派手さで押すのではなく、比率と厚みで存在感を出す考え方です。

素材によって掛け心地も印象も変わります。アセテートとチタンで何が違うのかを整理しておきたい方は、眼鏡フレームの素材の種類と選び方もあわせて読んでみてください。ラインを選ぶ前に素材を知っておくと、店頭での判断がぐっと楽になります。

PRIVATE COLLECTION——素材で語るプレミアムライン

もうひとつが、PRIVATE COLLECTIONです。

業界メディアの報道によれば、このコレクションは2016年4月に発表されました。4月4日にTOMFORD.comで先行して販売が始まり、その後に直営店や一部の取扱店へ広がったと報じられています。サングラス5型・光学フレーム6型の計11型という構成で、アイウェアを手がけて11年という節目に合わせた本数だと紹介されています。素材には水牛の角(バッファローホーン)や日本製の高品位チタンが使われ、一般的な量産フレームではあまり使われない素材を採用した点が特徴とされています。

トム・フォード氏自身が「自分が実際に掛けている、場合によってはもともと自分のためにデザインしたフレーム」と語ったと報じられており、名前のとおり「私物のコレクション」という位置づけです。

ただし注意していただきたい点があります。コレクションの構成は年によって変わりますし、日本での取り扱いは店舗によって異なります。現在どのモデルが入手できるかは、正規取扱店に直接確認するのが確実です。

日本で買うときに知っておきたい2つの選択肢

日本のユーザーにとって嬉しいのが、鼻や顔の造りに合わせたアジアンフィットのモデルが用意されている点です。海外ブランドのフレームは鼻当てが合わず、ずり落ちてしまうことがあります。正規取扱店ではアジアンフィット仕様が選べるモデルが案内されています。

もうひとつが、ブルーライトカットレンズを組み込んだモデルの存在です。仕事でパソコンに向かう時間が長い方にとっては、選択肢のひとつになります。効果の感じ方には個人差があるため、店頭で相談してみてください。


ジェームズ・ボンドが選んだ3本と、いま並んでいるモデル

トムフォードのアイウェアを語るうえで外せないのが、映画『007』シリーズとの関係です。ダニエル・クレイグ演じるジェームズ・ボンドが、複数の作品でトムフォードのサングラスを着用しています。

作品別・着用モデルを整理する

確認できた着用モデルを整理すると、次のようになります。

作品公開年着用モデル
慰めの報酬(Quantum of Solace)2008年FT108(現在は廃盤)
スカイフォール(Skyfall)2012年Marko(FT0144)
スペクター(SPECTRE)2015年Snowdon(FT0237)/Henry(FT0248)

Markoは、ダブルブリッジの大ぶりなアビエーターです。ロジウムのフレームにブルー系のレンズという組み合わせで、クラシックなパイロットサングラスを現代的に整えた一本といえます。

Snowdonは、『スペクター』のローマの葬儀シーンで着用されたモデルです。太めのセルフレームで、丸みを帯びた長方形のフォルム——日本の正規取扱店では「ウェリントン型」として案内されているシェイプです。サングラスとしては比較的落ち着いた輪郭で、掛ける人を選びにくい形といえます。Henry(ヴィンテージウェイファーラー)は、モロッコでのシーンに加え、予告編や主題歌のミュージックビデオでも登場しました。

なお、『007』シリーズのそれ以降の作品での着用については確認できなかったため、ここでは触れません。

2026年の新作——「-02」の中身が変わってきた

マルコリン社が2026年春夏の新作として挙げているモデルには、Abbey-02、Rupert-02、Aristotele-02、Nika-02、Thomas-02、Anthony-02、Brady-02、Parker-02、Addison-02、そしてFT6126-Bといった名前が並びます。

気づかれたでしょうか。「-02」が付いたモデルが目立ちます。ただ、これは既存モデルをそのまま焼き直したものではありません。マルコリン社は、ランウェイのルックの中からBrady-02、Parker-02、Addison-02を挙げ、これらが「ハイダー・アッカーマンのクリエイティブビジョンをアイウェアに翻訳したもの」であり、ブランドの言語を広げるものだと説明しています。

先ほど触れたとおり、アッカーマン氏は2024年にクリエイティブディレクターへ就任した人物です。その方向性が、いよいよアイウェアにも及んできた——これが2026年のラインナップの中心にあります。

見た目にいちばん表れているのが、シルエットです。顔に沿って回り込むラップアラウンドや、シールドのような形が新作に並びます。マルコリン社の説明でも、大胆なラップアラウンドのシルエットと、そぎ落とした幾何学的な形が同居していると語られています。加えて、一部のモデルにミネラルガラス(鉱物ガラス)のレンズが導入されました。クリアな見え方と、傷への強さが特徴とされる素材です。業界メディアも、今回のコレクションを「アッカーマンのクリエイティブディレクションを光学的に翻訳したもの」と評しています。

とはいえ、WhitneyやSnowdonのような定番が消えるわけではありません。定番は定番として残り、新作では新しい方向を試している。2026年のトムフォードは、その両方が店頭に並ぶ時期だと考えてください。

最初の一本としては、比較的掛けやすいシルエットのSnowdonが挙げられることが多いようです。ただ、似合う形は顔立ちによって変わります。候補をいくつか決めたうえで、店頭で見比べるのが現実的です。


Made in Italyの「T」が積み上げてきたもの

ここでは、他のラグジュアリーアイウェアと比べたときのトムフォードらしさを整理します。

「作り手が変わらない」という強み

マルコリン社は自社の説明の中で、トムフォードのアイウェアを「ディテールと高品質な素材に細心の注意を払ったイタリア製」と位置づけています。2005年のローンチから20年以上、同じ会社が生産と流通を担ってきました。

ライセンス生産と聞くと「本家が作っていないのか」と感じる方がいるかもしれません。ただ、アイウェアは服やバッグとは製造技術がまったく異なる分野です。専業メーカーが一貫して手がけてきたからこそ、品質が安定してきたという見方もできます。エスティローダーによる買収後も永続ライセンスでこの体制が維持されたことは、その延長線上にあります。

デザイン主導のブランドという立ち位置

ハリウッド発のラグジュアリーアイウェアという意味では、DITA(ディータ)ブランド紹介も比較対象になります。両者を並べると、性格の違いが見えてきます。

DITAは日本の鯖江での製造技術を前面に出すブランドです。対してトムフォードは、ファッションデザイナーの美意識をアイウェアに翻訳したブランドといえます。どちらが上ということではなく、惹かれるポイントが違うのです。

なお、PRIVATE COLLECTIONのTom N.4というモデルでは、クラシックなアビエーターを再解釈したクロス(X字)のフロントブリッジが特徴として紹介されています。定番の形を、構造から解体して組み直す。この姿勢もトムフォードらしい部分です。


価格帯と、買う前に確認したいこと

ここからは現実的な話をします。「実際いくらなのか」という点です。

光学フレーム・サングラスの価格の目安

オンラインストアで公開されている表示価格を、2026年8月時点で確認しました。ここで大切なのは、正規取扱店の価格と、並行輸入品を扱う店の価格を分けて見ることです。

確認先取り扱いの区分確認できた価格帯(税込)
POKER FACE オンラインストア正規取扱い60,500円〜80,300円
オーマイグラス並行輸入53,900円〜73,700円

正規取扱店の実勢は、おおよそ6万円台から8万円台が中心です。並行輸入品を扱う店では、これより低い価格が並ぶこともあります。ただし、後で説明するとおり、保証や修理の扱いが変わる点には注意が必要です。

ネット上には4万円台の価格を掲載した情報も残っていますが、近年は価格改定が行われており、古い情報が更新されないまま流通しているケースがあります。購入前には必ず最新価格を確認してください。

PRIVATE COLLECTIONについては、公式に統一された価格を確認できませんでした。素材の性格上、標準ラインより高い価格帯になりますが、具体的な金額は取扱店にお尋ねください。

なお、ここに挙げた金額はあくまで取得時点の参考情報です。為替や仕様変更で価格は動きますし、モデルによっても差があります。

正規取扱店と並行輸入店は、何が違うのか

トムフォードは、並行輸入品や模倣品が出回りやすいブランドでもあります。だからこそ、どこで買うかで手にする条件が変わります。

日本の正規取扱店の例としては、POKER FACE、chemical conbination、River などが挙げられます。正規取扱店では、購入時にギャランティーカード、専用ケース、国内正規代理店の取扱説明書などが付属すると案内されています。

一方、同じモデル名でも並行輸入品として販売されている場合があります。たとえばオーマイグラスは、ブランドページで「当社の取り扱いのトムフォードの商品は全て並行輸入品です」「正規代理店またはメーカーによる国内保証や修理サービスを受けられません」と明記しています。

ここで誤解のないように補足します。並行輸入品イコール偽物、ということではありません。ただ、国内正規代理店の保証や修理の対象から外れる点は、買う前に知っておきたいところです。販売店ごとの独自保証がある場合もあるため、条件は店舗に確認してください。

つまり、価格差には理由があります。「同じモデルが他より安く売られている」と感じたときは、まず取り扱いの区分を確かめてみてください。区分がはっきりせず、価格差の理由も説明できない場合は、いったん立ち止まったほうが安心です。

10年単位で使うつもりなら、調整や修理を任せられる窓口があるかどうかは、価格と同じくらい大切な判断材料になります。

サングラスとしてトムフォードを検討している方は、サングラスの選び方もあわせてどうぞ。UVカットと偏光の違いを理解しておくと、レンズ選びで迷わなくなります。

レンズ交換・アフターサービスについて

度付きレンズへの入れ替えや、修理・調整の対応は、購入した店舗によって内容が異なります。統一された公式の案内は確認できませんでした。

そのため、購入前に次の3点を確認しておくことをおすすめします。

  1. 度付きレンズに対応できるか:カーブの強いサングラスは、度付き対応が難しい場合があります
  2. フィッティング調整をしてもらえるか:長く掛けるうえで、ここが一番差の出る部分です
  3. 修理・パーツ交換の窓口:ネジやパーツの取り寄せに対応しているかを聞いておくと安心です

高価な買い物だからこそ、買った後の話を先に確認しておく。遠回りに見えて、これが一番の近道です。


「T」の存在感を、自分のものにできるか

ここまで読んで、「自分に似合うだろうか」と考えている方もいると思います。正直なところを整理します。

トムフォードが長く相棒になりやすい人

  • 「一目でブランドが分かる眼鏡」を肯定的に受け止められる人
  • クラシックな形を、素材と仕上げで格上げしたい人
  • スーツやジャケットを着る機会が多く、顔まわりに芯を通したい人
  • 映画から入るのが好きな人。007や『シングルマン』のような物語のある一本に価値を感じられます
  • 6万円台以上の予算を、10年単位で使う道具に投じられる人

ハリウッド発のラグジュアリーアイウェアを横並びで比べたい方は、Oliver Peoples(オリバーピープルズ)ブランド紹介もあわせて読んでみてください。同じ「上質」でも、方向性がかなり違うことが分かります。

「Tマークは少し強いかも」と感じた方へ

一方で、合わない場面もあります。

眼鏡にブランドの主張を求めていない方にとって、テンプルの「T」はやや強く映るかもしれません。職場の雰囲気によっては、控えめなフレームのほうが馴染むこともあります。また、軽さを最優先する方には、他に選択肢があります。トムフォードのセルフレームは厚みのあるデザインが多く、掛け心地の軽さで選ぶブランドではないためです。

選ぶ基準はシンプルです。「この眼鏡を掛けている自分を、好きになれるか」。ブランドの存在感を楽しめる方にとって、トムフォードは長く付き合える一本になります。

私が1本持ってみて分かったこと

私も、トムフォードの眼鏡を1本持っています。サングラスとして使っているのではなく、クリアレンズを入れて眼鏡として愛用しています。

掛け心地ですが、アジアンフィットのモデルを選んではいるものの、若干、鼻幅が広くずり落ちる感覚はありました。こちらはシリコン製の貼るタイプの鼻パッドで解消しています。海外ブランドのフレームはブリッジの設計が日本人の鼻の高さと合わないことがあり、同じようにずれ落ちが気になっている方は少なくないはずです。私が使っているのはこちらのタイプです。

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そして、掛けた印象は、やはり「かっこいい」と思いました。眼鏡におしゃれを求めている方には、やはりおすすめの1本だと思います。

反面、丁番については思うところがありました。丁番とは、眼鏡のフロントとテンプルをつなぐ役目のパーツです。作りにこだわった眼鏡では、5枚丁番や7枚丁番のようにコマ数を増やして堅牢にしているものもあります。それに対して、私が持っている一本は3枚丁番でした。私の買ったモデルがたまたまそうだっただけかもしれませんが、値段の割につくりには少し思うところがありました。

丁番の仕様はモデルによって異なりますので、この点は私の一本での話として受け取ってください。コマ数による違いが気になる方は、眼鏡の丁番(ヒンジ)とカシメの種類と特徴もあわせて読んでみてください。

見た目の満足度を取るか、細部の作り込みを取るか。どちらを重く見るかは人によって変わります。だからこそ、気になるモデルは店頭で手に取り、掛け心地と丁番の動きまで確かめてみてください。ここを見ておくと、買ったあとの「思っていたのと違う」がぐっと減ります。

いきなり6万円台のフレームは迷う、という方もいると思います。その場合は、まず自分に似合うシルエットを手頃な価格帯で確かめるのもひとつの方法です。ZoffやJINSなら、ウェリントンやスクエアといった定番の形を気軽に試せます。似合う形が分かってから本命に進めば、後悔はぐっと減ります。

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このフレームを長く使うために

手に入れた一本は、できるだけ長く気持ちよく使いたいですよね。アセテートのフレームは皮脂や汗の影響を受けやすく、メタルパーツは指紋が目立ちます。ここでは私も使っているケアアイテムを紹介します。

フレームの艶を守る(セルロイド・アセテート素材向け)

セルロイドやアセテートのフレームは、使い続けると表面が白くくすんでくることがあります。眼鏡専門ブランドDJUALのポリッシングクリームを使えば、自宅で新品のような艶を取り戻せます。チタン・メタルフレームには不要ですが、アセテートやセルロイドを使用したモデルにお使いください。

ご注意: マット加工(艶消し加工)を施したフレームには使用できません。また、レンズ部分には絶対に使用しないでください。ご使用前にフレームの仕上げをご確認ください。

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レンズを毎日清潔に

世界的光学ブランドZEISSの個包装ワイプは、全世界で年間10億個販売されている定番品。外出先でもすぐに使えて、コーティングレンズを傷めません。

ご注意: コンタクトレンズには使用できません。レンズにゴミや砂粒が付着した状態で拭くと傷がつく恐れがあります。使用前にレンズの表面をご確認のうえ、開封後はすぐにご使用ください。

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仕上げは天然セーム革のクロスで

春日のキョンセームは、天然素材ならではのやさしい拭き心地が特徴。細かい繊維が油分・指紋をしっかり絡め取り、拭き傷をつけません。

ご注意: Amazon等では中国製の類似品が流通しています。正規品の春日(KASUGA)製品はパッケージおよびクロス表面(光沢面)に「春日」または「KASUGA」のロゴが入っています。ご購入の際は販売元が「春日」であることをご確認ください。

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まとめ——Tom Fordとは何者か、あらためて整理する

トムフォードは、グッチとイヴ・サンローランを率いたデザイナー、トム・フォード氏が2005年に立ち上げたブランドです。アイウェアは同年10月、イタリアのマルコリン社とのパートナーシップでローンチしました。テンプルのメタル「T」は、読ませるロゴではなく形で伝わる署名として、ブランドの顔になっています。

WhitneyやCaryといった定番、映画『シングルマン』から生まれたTF5178、そして007のMarko・Snowdon・Henry。物語を持ったモデルが多いことも、このブランドの魅力です。2023年にブランドはエスティローダーの傘下に入り、創業者本人はクリエイティブ職を離れましたが、アイウェアの作り手は永続ライセンスを得たマルコリンのまま変わっていません。2026年の新作では、クリエイティブディレクターであるハイダー・アッカーマン氏の方向性を映した、ラップアラウンドのシルエットが増えています。

正規取扱店の価格は、おおむね6万円台から8万円台が中心です。決して気軽な金額ではありませんが、流行に左右されにくいシェイプを選べば、10年単位で付き合える一本になります。ただ、私自身が使ってみて感じたように、細部の作りやフィッティングの相性にはモデルごとの差があります。気になるモデルが見つかったら、まずは正規取扱店で実物を掛けてみてください。写真で見るより、ずっと素直な顔をしているはずです。

まずは自分に似合う形を確かめたい、という方は、ZoffやJINSで定番シェイプに触れてみるところから始めてみてください。「好き」の輪郭が見えてくると、次の一本選びがもっと楽しくなります。

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