「大量生産の眼鏡とは、どこか違う一本を持ちたい」——そう感じたことはありませんか。量販店の眼鏡は便利で品質も安定していますが、使ううちに「もっと作り手の顔が見える眼鏡が欲しい」と思う瞬間があります。この記事では、鯖江のたった一人の職人が生み出すアイウェアブランド、MEGANEROCK(メガネロック)について、成り立ちから代表シリーズ、価格、向いている人まで丁寧に解説します。読み終えるころには、あなたが最初の一本に選ぶべきかどうかの判断材料がそろっているはずです。
MEGANEROCKとはどんなブランド?
結論からいうと、MEGANEROCKは「一人の職人がほぼすべての工程を手がける」極めて希少な国内アイウェアブランドです。分業が当たり前の眼鏡業界において、これはとても珍しい成り立ちといえます。
2014年、鹿児島出身の職人が鯖江で立ち上げたブランド
MEGANEROCKを立ち上げたのは、鹿児島県出身の雨田大輔(あまだだいすけ)氏です。もともとアパレル業界で働いていた雨田氏は、眼鏡職人を志して27歳で福井県鯖江市へ移住しました。鯖江の眼鏡メーカーで7年間の修業を積んだのち、2014年に自身のブランドとしてMEGANEROCKを設立しています。
なぜ鯖江だったのでしょうか。鯖江は国内の眼鏡生産の大部分を担う「眼鏡の聖地」です。パーツがすぐ手に入り、機械の修理も早く、協力してくれる職人が近くにいる——一人でものづくりをするうえで、これほど恵まれた環境はなかったのです。
雨田氏が修業の地に選んだ鯖江がなぜ特別なのかは、メガネの産地って何が違うの?鯖江が「世界が認める聖地」と呼ばれる理由で詳しく解説しています。あわせて読むと、MEGANEROCKの背景がより立体的に見えてきます。
「ROCK」は音楽ではなく、自分らしく在るための姿勢
ブランド名の「ROCK」と聞くと音楽ジャンルを思い浮かべますが、MEGANEROCKが込めた意味は少し違います。「真面目の象徴であるメガネ」と「不良の象徴であるロック」を組み合わせ、その境界線をなくす——そんな思いが名前に宿っています。
言い換えれば、ROCKとは「自分らしく在るための姿勢」です。誰かに合わせるのではなく、自分が身につけたいものを自分の手で作る。その哲学が、MEGANEROCKの一本一本に流れています。
MEGANEROCKが特別な理由——ほぼ一人で全工程を担う希少な存在
MEGANEROCKの最大の特徴は、デザイン・製造・営業までを、一部の工程を除いてほぼ一人で手がけている点です。「完全に一人ですべて」と断定はできませんが、これほど作り手の個性がそのまま形になるブランドは多くありません。
その結果、生産できる本数はどうしても限られます。だからこそ「同じモデルに出会えたのは幸運」と感じられる希少性が生まれるのです。
VECTORとKOREMO——2つのシリーズを知る
MEGANEROCKを理解するうえで押さえておきたいのが、性格の異なる2つのシリーズです。結論として、日常のメインに据えるなら「VECTOR」、アウトドアや持ち運びを重視するなら「KOREMO」が軸になります。
VECTORシリーズ:アセテート×ヴィンテージ着想の主力ライン
VECTORはMEGANEROCKの主力ラインです。素材にはアセテート(植物繊維由来で、色彩表現と光沢に優れる素材)を採用し、1950〜60年代のアメリカンヴィンテージから着想を得たスクエアシェイプが特徴です。薄型のリムが、クラシックながら現代的な軽やかさを生んでいます。
VECTORで見逃せないのが「芯張り」という技術です。アセテートの層の間に、MEGANEROCKの矢印ロゴをかたどったメタルコアを挟み込むという手の込んだ製法で、強度とデザイン性を両立させています。VECTORには002から020番台まで複数のモデルがあり、2024年には新作としてVECTOR 018も登場しました。
アセテートやセルロイドといった素材ごとの違いをもっと知りたい方は、眼鏡フレームの素材の種類と選び方が参考になります。
KOREMOシリーズ:手のひらサイズに折りたためる軽量サングラス
KOREMOは、VECTORとはまったく方向性の異なるサングラスシリーズです。素材には弾力性のあるナイロンを使い、フレームの4か所が可動することで、手のひらサイズまでコンパクトに折りたためます。アウトドアにもタウンユースにもなじむ一本です。
KOREMOにはtype 1とtype 2があり、type 2は税込19,800円(取得時点・変動する場合があります)。日本製で修理にも対応しやすい設計になっています。なお、初期のMEGANEROCKにはセルロイド(世界最古のプラスチックといわれる希少素材)を使ったモデルもありましたが、現在の販売状況は公式に明示されていないため、ここでは「初期に使われていた素材」として紹介するにとどめます。
「同じカラーは来年ないかもしれない」——出会いものとしての魅力
MEGANEROCKは、既存の品番を毎年ブラッシュアップしながら作り続けるスタイルをとっています。そのため、同じ形・同じカラーが翌年も必ず販売されるとは限りません。
一見デメリットに思えるかもしれません。でも見方を変えれば、「今出会えた一本は、もう二度と同じ形では手に入らないかもしれない」ということです。この「出会いもの」としての性格こそ、量産品にはないMEGANEROCKの醍醐味だと私は思います。
MEGANEROCKのここが好き——ブランド特有の強み
MEGANEROCKの強みを一言でいえば「作り手の存在をそのまま感じられること」です。ここでは、その理由を3つの角度から掘り下げます。
多くの工程を一人でこなす、分業制の眼鏡業界では極めて稀な存在
眼鏡づくりは本来、数多くの工程を複数の職人が分担して進めるのが一般的です。その中でMEGANEROCKは、多くの工程を雨田氏がほぼ一人で担っています。だからこそ、細部の判断にまで作り手の美意識が一貫して宿るのです。
ただし、すべてを完全に一人でこなしているわけではありません。たとえばKOREMOのプロトタイプ制作では、鯖江の眼鏡会社と協力し、3Dプリンティングを活用したと伝えられています。「一人のこだわり」と「鯖江という産地の力」がうまく重なっているのが、MEGANEROCKの実像といえます。
アセテートの「芯張り」技術——ロゴ形状のメタルコアが仕込まれている
先ほど触れた「芯張り」は、MEGANEROCKらしさを象徴する技術です。通常よりも手間と時間がかかる製法ですが、外から見えない部分にまでブランドの矢印ロゴを仕込むという遊び心が、所有する喜びを静かに高めてくれます。
見えないところにこそこだわる——この姿勢に共感できる人にとって、MEGANEROCKは特別な一本になるはずです。
既存品番をブラッシュアップし続けるものづくりの哲学
MEGANEROCKは、新作を次々に増やすよりも、既存の品番を少しずつ磨き上げていく方針をとっています。仕様やカラーを見直しながら、モデルを育てていくイメージです。
流行を追いかけるのではなく、良いと信じたものを長く作り続ける。この姿勢が、ブランドへの信頼につながっています。
MEGANEROCKの価格帯・購入方法・アフターサービス
結論として、MEGANEROCKは「量販店より高いが、手仕事の一本としては納得感のある価格帯」です。順に見ていきましょう。
価格帯はどのくらい?
主力のVECTORシリーズは、税込でおおむね35,000円台〜36,000円台が中心です(取得時点の価格で、モデルや取扱店により異なります)。KOREMO type 2は税込19,800円が目安です。いずれも価格は改定される場合があるため、購入前に公式サイトや取扱店で最新の金額を確認してください。
なお、別注・コラボレーションモデルなどは通常ラインと価格が異なる場合があります。気になるモデルがある場合は、それが通常品か特別モデルかもあわせて確認すると安心です。
どこで買える?取扱店と購入のポイント
MEGANEROCKは、全国の一部のセレクトショップや眼鏡店で取り扱われています。生産本数が限られるため、欲しいモデルやカラーがある場合は、在庫状況を各店舗に問い合わせるのが確実です。
「出会いもの」という性格上、気になる一本を見つけたら早めに動くことをおすすめします。
アフターサービス・修理について
アフターサービスや修理の具体的な費用・対応範囲については、公式に詳細が明示されていません。購入後のサポートが気になる方は、購入店またはMEGANEROCK公式サイトへ直接問い合わせることをおすすめします。一人の職人が手がけるブランドだからこそ、修理やメンテナンスの相談にも作り手の視点で応じてもらえる可能性があります。
こんな人にMEGANEROCKをおすすめしたい
ここまで読んで「自分に合うだろうか」と気になっている方へ。MEGANEROCKが向いている人・向いていない人を整理します。
クラシックなシェイプが好きな人
VECTORのヴィンテージ着想のスクエアシェイプは、流行に左右されにくい普遍的なデザインです。クラシックで端正な佇まいが好きな人には、長く付き合える一本になります。
「作り手が見える眼鏡」に価値を感じる人
MEGANEROCKの魅力は、スペック以上に「誰が、どんな思いで作ったか」が見えることです。物語ごと身につけたい人にこそ響くブランドといえます。同じく一人の職人によるものづくりにこだわる12homemadeの評判と特徴を徹底解説【2026年版】や、鯖江の職人魂を感じられるEFFECTORの評判と特徴を徹底解説【2026年版】も、あわせて読むとMEGANEROCKの立ち位置がよく見えてきます。
量販店では物足りなくなってきた人へ
逆に、とにかく低価格を最優先したい人や、全国どこでもすぐ買い直せる安心感を求める人には、量販ブランドのほうが向いています。MEGANEROCKは在庫が限られ、価格も量販店より上がるためです。「少し背伸びしてでも、自分だけの一本に出会いたい」——そう感じ始めた人にこそ、MEGANEROCKはおすすめです。
とはいえ、いきなり数万円の一本は勇気がいりますよね。まずは気軽に試せるブランドから眼鏡選びの楽しさを知りたいという方には、幅広いラインナップを持つZoffやJINSも心強い選択肢です。手に取りやすい価格で自分に似合う形を探しながら、少しずつ「こだわりの一本」への感度を育てていくのもおすすめです。
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このフレームを長く使うために
MEGANEROCKのような手仕事の一本は、丁寧に扱えば扱うほど愛着が増していきます。ここでは、フレームとレンズを長くきれいに保つためのお手入れアイテムを紹介します。日々のケアが、次の一本に出会うまでの時間をより豊かにしてくれます。
アセテートフレームのツヤを保つポリッシング
アセテートは使ううちに少しずつツヤが落ちてきますが、専用のポリッシングクリームで磨くと、購入時の光沢がよみがえります。手仕事のフレームだからこそ、時々のお手入れで表情の変化を楽しめます。
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レンズを清潔に保つ使い捨てクリーニングワイプ
外出先でレンズが汚れたとき、乾いた布でこするとかえって傷の原因になります。個包装のレンズワイプを持っておくと、いつでも安全にきれいにできて便利です。
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毎日の仕上げ拭きに使えるセーム革クロス
自宅での日々の仕上げには、繊維が細かく皮脂汚れをしっかり拭き取れるセーム革のクロスがおすすめです。大切な一本を末永くきれいに保てます。
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MEGANEROCKに感じた魅力
ここからは、私自身がMEGANEROCKに惹かれている理由を正直にお話しします。
YouTubeで知って気になり始めた話
私がMEGANEROCKを知ったのは、めがね舎ストライクさんのYouTube動画がきっかけでした。動画で紹介されていたのは、セルフレーム、つまりプラスチック素材の、クラシックなシェイプのフレームたち。「これなら掛けやすそうだな」というのが、そのときの率直な印象でした。
動画を見た後、気になって調べてみると、この眼鏡が一人の職人さんの手によって一本ずつ作られていると知り、驚きました。こだわりが詰まった眼鏡なんだという実感が、そこで一気に強まったのを覚えています。価格帯についても、同じような国内の独立系ブランドと比べると手に取りやすい印象で、おしゃれさと挑戦しやすさを兼ね備えた「知る人ぞ知る」眼鏡ブランドだと感じています。
12homemade・NORUTと比べて見えてきたこと
MEGANEROCKと似た雰囲気を持つブランドとして、私は12homemadeとNORUTもよく比較します。強めの個性を求めるなら12homemadeがおすすめです。職人さんのこだわりが詰まった綺麗なシェイプで、個性的なモデルが多いのが特徴です。基本的に受注生産のため出来上がりまで時間はかかりますが、その分きっとお気に入りの一本に出会えます。機能面とデザイン面の両立という点では、NORUTが素晴らしいと感じています。とにかく軽く、素材の特性で型崩れしにくいので、メンテナンスフリーとまでは言わないものの、非常に使いやすいブランドです。デザインもかっこよく、機能美という言葉がぴったりだと思います。
そのうえで、普遍的なデザインをできるだけ手に取りやすい価格で楽しみたいなら、私はMEGANEROCKを強くおすすめします。クラシックな雰囲気のモデルが揃い、おしゃれに見えるのに、2026年8月現在で3万円台から手に入るのは今では珍しい価格設定です。おしゃれには力を入れたいけれど、お財布にもあまり負担をかけたくない——そんな方にとって、MEGANEROCKは心強い存在だと感じています。
まとめ:MEGANEROCKが伝えたいこと
MEGANEROCKは、鹿児島出身の職人・雨田大輔氏が2014年に鯖江で立ち上げた、ほぼ一人で手がける国内独立系アイウェアブランドです。ヴィンテージ着想のVECTOR、折りたためるKOREMO——どのモデルにも「自分らしく在る」という姿勢と、作り手の温度がそのまま宿っています。
同じ形に二度と出会えないかもしれない「出会いもの」だからこそ、心惹かれた一本があれば、その瞬間を大切にしたいブランドです。量販店の眼鏡に少し物足りなさを感じ始めたなら、次の一本の候補にMEGANEROCKを加えてみてはいかがでしょうか。
まずは眼鏡選びそのものを楽しみたいという方は、手に取りやすいZoffやJINSから始めて、自分の「好き」を少しずつ育てていくのもおすすめです。
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