「金子眼鏡って名前はよく聞くけど、どんなブランドなんだろう?」と思っていませんか。3万円〜5万円台の眼鏡に投資する価値があるのか、高くても選ばれる理由が気になる方も多いはずです。この記事では金子眼鏡の歴史・シリーズ・職人技術・向いている人まで、ブランドの魅力を丁寧に解説します。読み終わるころには、あなたが金子眼鏡を選ぶべきかどうか、自分の言葉で答えられるようになっているはずです。
金子眼鏡とはどんなブランドか?創業から現在までを振り返る
「金子眼鏡」という名前を初めて聞いたとき、どんなイメージを持ちましたか。職人の技術、鯖江の産地、あるいは百貨店の入口で目に留まったロゴかもしれません。まずはブランドの成り立ちから、なぜここまで支持されるに至ったかをひも解いていきます。
卸売業から始まったブランドの出発点(1958年)
金子眼鏡は1958年(昭和33年)、福井県鯖江市で創業されました。創業したのは先代・金子鍾圭(かねこ しょうけい)氏。当初は眼鏡の卸売業、つまり二次問屋としてスタートしました。他のメーカーが作った眼鏡を仕入れて流通させる、地道な仕事から始まったのです。
鯖江は日本の眼鏡産地として世界に知られる場所です。国内の眼鏡フレーム生産の9割以上がここで作られており、職人の技術と産地ブランドが積み重なってきた土地でもあります。その中で金子眼鏡は、後に「自分たちで作る」という方向へ大きく舵を切ることになります。
自社デザインへの転換と「SPIVVY」の誕生(1987〜1997年)
転機は1980年、現社長・金子真也氏が家業に参入したことです。1986年には「金子眼鏡株式会社」に社名変更。そして1987年、最初のオリジナルブランド「BLAZE(ブレイズ)」を立ち上げます。
卸売業という「他者の商品を売る立場」から、「自分たちのデザインで作る立場」へ。この転換は簡単ではなかったはずです。しかし金子眼鏡はそこに踏み込み、さらに1997年には「SPIVVY(スピビー)」を誕生させます。
SPIVVYは「いまだ誰も見たことのない眼鏡」をコンセプトに掲げたブランドです。素材とデザインへの飽くなき挑戦を軸に、チタンブロックの削り出しや独創的なシルエットなど、当時の眼鏡業界では異例の試みを打ち出しました。
自社工場「BACKSTAGE」設立で一貫生産体制を確立(2006年)
2006年、金子眼鏡は廃業した眼鏡工場を借り受け、職人育成を兼ねた工房を立ち上げます。これが現在の自社工場「BACKSTAGE(バックステージ)」の出発点です。その後、2009年に「BACKSTAGE」として正式に稼働を開始しました。
熟練職人を招き入れ、プラスチックフレーム(アセテート・セルロイド)の切削からバフ研磨(仕上げ)まで、すべてを自社で担う一貫生産体制を確立しました。企画→製造→小売りのすべてを自社で行うSPA(製造小売)型の体制が整いました。
なお金子眼鏡は2019年7月に持株会社「ジャパン・アイウェア・ホールディングス(JEH)」を設立。2021年には国内眼鏡ブランドを代表する「フォーナインズ(999.9)」がグループに加わり、国内を代表するアイウェアグループとして体制を整えました。両ブランドの独立性は維持されており、金子眼鏡は引き続き独自のコンセプトでブランドを展開しています。
私が金子眼鏡を初めて知ったのは、眼鏡をおしゃれとして楽しみ始めたころのことです。当時はまだ眼鏡ブランドに詳しくありませんでしたが、店舗をよく目にしていました。「なんだろう、あのおしゃれなめがね屋さんは!」と気になって、帰宅後にネットで調べたことを今でも覚えています。作りも形もかっこよくて、すぐに気に入りました。ただ当時は眼鏡の相場をよく知らなかったので、価格を見て「高い……」と思った記憶もあります(笑)。
金子眼鏡が長く愛される理由はどこにあるのか?
高い眼鏡を買って後悔しないか、それが一番の不安ではないでしょうか。金子眼鏡が長年にわたって評判を維持し続けている理由には、いくつかのはっきりとした根拠があります。
分業制が当たり前の業界で「全部自分でやる」を貫く姿勢
眼鏡業界は分業制が当たり前です。デザインする会社、製造する会社、販売する会社が別々に存在するのが一般的です。しかし金子眼鏡はその常識に逆らい、企画・製造・小売りをすべて自社で行うSPA型体制を選びました。
なぜそれが強みになるのでしょうか。答えは「品質のコントロール」です。外注すれば工程ごとに品質のブレが生じます。自社でやれば、ひとつひとつの工程に責任を持てます。ライセンスに頼らない自社デザインと、鯖江での一貫生産を両立するのが金子眼鏡の核心です。
3年寝かせたセルロイドが生む、他にはない質感と耐久性
金子眼鏡のKCシリーズおよび泰八郎謹製シリーズが使うのは、3年以上寝かせたセルロイド素材です。セルロイドはアセテート素材と比べて硬く、磨き上げたときの透明感と光沢が際立つ素材として知られています。
3年以上の熟成期間を置く理由は「素材の安定化」にあります。セルロイドは時間をかけて成形・安定させることで、長期間使っても歪みにくく、フィット感が持続します。肌への質感もアセテートとは異なり、柔らかな印象があります。
眼鏡フレームの素材について詳しく知りたい方はこちらもどうぞ。
日本人の顔立ちに最適化されたフィッティングと掛け心地
金子眼鏡の直営店では、購入後のフィッティング調整に対応しています。フレームの歪み修正やノーズパッド調整は無料で対応されており、購入時の状態を維持できるサポート体制が整っています。
日本人の顔立ちは欧米人と比べて鼻の高さが低く、フレームがずり落ちやすいという課題があります。鯖江で生産された国産フレームは、この点を考慮した設計が多く、掛け心地の安定感が高いといわれています。
おしゃれな外観から、少し入りづらい雰囲気を感じる方もいるかもしれません。でも実際に入ってみると、店員さんが気軽に声をかけてくれる、温かみのある空間でした。試着してみたフィット感は良好でしたが、眼鏡の本当のフィット感はフィッティング調整後にわかるものです。試着の時点ではあくまで仮の印象として捉えていただければと思います。ただ、店員さんの接し方の温かさは自信を持ってお伝えできます。
金子眼鏡の代表シリーズ・名作モデルを紹介
「どのシリーズを選べばいいかわからない」という方のために、金子眼鏡の主要シリーズをわかりやすく整理します。
KC(セルロイド)シリーズ——日常使いと上質さを両立する定番
KCシリーズは、3年以上寝かせたセルロイド素材を使用した、金子眼鏡の主力シリーズです。デザインはシンプルで飽きがこず、日常使いと上質な見た目を両立しています。
セルロイド素材の特徴である安定したフィット感と、肌への柔らかな質感は、長時間かけ続けても疲れにくい設計につながっています。代表モデルとしては「T-261」(シンプルで使いやすい定番)や「T-245」(ワンブリッジモデル・男女問わず人気)などがあります。
KV(ヴィンテージ)シリーズ——クラシックと現代感覚の融合
KVシリーズは、メタルとプラスチックを組み合わせたクラシックなシリーズです。軽量で快適な着け心地が特徴で、ヴィンテージのデザインを現代的に解釈したスタイルが人気です。
シリーズ内でもモデルによって40,000〜70,000円台と価格帯に幅があります。購入前に公式サイトまたは直営店で最新の価格をご確認ください。
SPIVVY——素材と磨きの探求から生まれる唯一無二のデザイン
1997年デビューのSPIVVYは「いまだ誰も見たことのない眼鏡」をコンセプトに生まれたブランドです。アセテートやチタンなど多様な素材を使い、独創的なシルエットと通常より長い研磨工程から生まれる艶が特徴です。チタンブロックを用いた削り出し技術を取り入れたモデルも展開されています。
ほかのシリーズとは一線を画す存在感を求める方や、眼鏡をファッションとして楽しみたい方に向いています。価格は公式サイトまたは直営店でご確認ください。
鯖江の職人が名前を冠したシリーズ——職人4名の世界
金子眼鏡には、職人個人の名前を冠した特別なシリーズがあります。多くのブランド紹介記事が「職人シリーズがある」と一言触れるに留まっているのに対して、ここでは4名それぞれの個性に踏み込んで紹介します。
泰八郎謹製——月200本限定・全工程手作業の究極のセルロイド
「泰八郎謹製(たいはちろうきんせい)」は、鯖江の伝説的職人・山本泰八郎氏が創設したシリーズです。2021年に泰八郎氏は逝去されましたが、長年にわたって父の技術を学んできた息子の山本康廣氏がその意志を継ぎ、現在も制作が続けられています。3年以上寝かせたセルロイドを全工程手作業で仕上げるこのシリーズは、月産約200本という限定生産が特徴です。
製法上の特徴として「ノー芯製法」と「5枚丁番」が挙げられます。ノー芯製法とは、フレームのテンプル(耳にかかるつる部分)に芯材を入れない製法のこと。芯材を使わないことで素材本来の柔軟性が生まれ、顔の形に沿って自然にフィットしていきます。5枚丁番は蝶番の枚数が多く、開閉時の強度と滑らかさが向上します。職人の手が生み出す「月200本しか存在しない眼鏡」は、まさに一貫生産体制の最高到達点といえます。
恒眸作・與市・井戸多美男作——それぞれの職人が追求するかけ心地
恒眸作(こうぼうさく)は、職人歴30年以上の山崎恒眸氏によるシリーズです。サンプラチナとセルロイドを組み合わせたコンビネーションフレームが中心で、価格帯は60,000円台が中心となっています(フレーム単体・税込。価格は変動する場合があります)。サンプラチナは耐食性・耐変色性に優れた合金で、長年にわたって高級眼鏡フレームに使われてきた素材です。
與市(よいち)は、職人歴40年以上の佐々木與市氏による手造りシリーズです。エッジの効いたデザインが特徴で、価格帯は50,000円台がボリュームゾーンとなっています(フレーム単体・税込。価格は変動する場合があります)。長年の職人経験が生む独自のフォルムは、他のシリーズとは異なる個性を持ちます。
井戸多美男作は、金子眼鏡の公式サイトで職人シリーズとして確認されているシリーズです。詳細なスペックや価格帯については公式サイトまたは直営店でご確認ください。
4名の職人がそれぞれの哲学を持ってフレームを作っているという事実は、金子眼鏡が単なるブランドではなく、職人文化を守るプラットフォームでもあることを示しています。
実際に手に取ってみると、細部にわたる丁寧な作りがすぐに伝わってきます。良い眼鏡というのは、手に持った瞬間に細かいところで質の高さが感じられるものです。職人シリーズのフレームも、そういった視点で見たときに「これは本物だ」と確信できる作りでした。
価格・アフターサービス・購入方法について
「実際いくらするの?」「買ってからのサポートはどうなの?」という疑問に答えます。
価格帯の目安(シリーズ別)
金子眼鏡の価格帯は以下が目安です(フレーム単体・税込。時点により変動する場合があります)。
| シリーズ | 価格帯の目安 |
|---|---|
| KC(セルロイド)シリーズ | 30,000〜40,000円台 |
| KV(ヴィンテージ)シリーズ | 40,000〜70,000円台 |
| SPIVVY | 公式サイトでご確認ください |
| 職人シリーズ(恒眸作・與市) | 50,000〜60,000円台 |
| 泰八郎謹製 | 60,000円台〜 |
レンズを加えると、一般シリーズで40,000円前後が目安になります。「高い」と感じる価格帯ですが、丁寧なアフターサービスと長期間使い続けられる品質を考えると、1本に集中投資する価値があるブランドです。
フレーム磨き・無料調整など充実したアフターサービス
金子眼鏡のアフターサービスは充実しています。
- フレームの歪み修正:無料
- ノーズパッド調整:無料
- フレーム磨きサービス:あり
購入時の状態を長く維持できるよう、直営店でのサポート体制が整っています。眼鏡は毎日使うものなので、購入後のメンテナンスが受けられる環境は長く使う上でとても大切です。
直営店と「金子眼鏡店」「KANEKO OPTICAL」の違い
金子眼鏡の店舗には、漢字表記の「金子眼鏡店」と英字表記の「KANEKO OPTICAL」という2種類があります。この違いを知っておくと、購入時に迷いが減ります。
- 金子眼鏡店(漢字表記):百貨店や路面店に展開。セール非実施。
- KANEKO OPTICAL(英字表記):イオンモールなどのショッピングモールに展開。店舗独自のセールを実施する場合があります。
どちらも全国に多数の直営店を展開しています。最寄り店舗は公式サイトのSHOP LISTでご確認ください。
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金子眼鏡はこんな人に向いている
どんなブランドにも「向いている人」と「そうでない人」がいます。金子眼鏡の特性から、率直に整理します。
長く愛用できる眼鏡を1本持ちたい人
金子眼鏡は「長く使える眼鏡」を探している人に向いています。高品質な素材・丁寧な製法・充実したアフターサービスがそろっており、1本を大切に使い続けるスタイルと相性が良いブランドです。
流行に左右されないシンプルなデザインが多いKCシリーズは特に、5年・10年と使い続けられる選択肢になります。「消耗品として眼鏡を扱うのではなく、愛着を持って使い続けたい」という方に強くおすすめできます。
鯖江の職人技術・日本の眼鏡文化に興味がある人
「どこで誰が作ったかを知って眼鏡を選びたい」という方にも、金子眼鏡は特別な意味を持ちます。職人の名前を冠したシリーズが存在するブランドは国内でも多くありません。
泰八郎謹製や恒眸作のような職人シリーズを選ぶことは、単に眼鏡を買うこと以上の意味があります。その職人の哲学と技術を日常に取り入れるという選択です。日本のものづくり文化に興味がある方に、特に響くブランドだと思います。
セレクトショップとのコラボや別注にも注目したい人
金子眼鏡はBEAUTY&YOUTH UNITED ARROWSと定期的に別注コレクションを展開しており、Logan・French・Kevin・James・Modernなど複数のモデルがMADE IN JAPANで展開されています。
セレクトショップで眼鏡を選ぶ機会がある方は、金子眼鏡の別注モデルが並んでいることがあります。本家の直営店とはまた異なるアプローチで金子眼鏡の世界に入れる機会として、チェックしてみる価値があります。
金子眼鏡を実際に見て感じたこと
街で出会ったおしゃれな眼鏡屋さん
金子眼鏡との最初の出会いは、街を歩いていてふと目に入ったおしゃれな店構えでした。当時はまだ眼鏡ブランドに詳しくなく、「なんだろう、あの眼鏡屋さん、かっこいい!」と思ったのが最初の印象です。帰宅後にすぐ調べて、鯖江の自社工場で一貫生産しているブランドだと初めて知りました。デザインだけでなく、作り手のこだわりまで詰まったブランドだとわかって、ますます気になる存在になりました。
入ってみると温かい空間だった
外観の印象から「入りづらいかな」と思ったのですが、実際に入ってみるとスタッフの方が気さくに話しかけてくれる、温かみのある空間でした。試着のサポートも丁寧で、リラックスして眼鏡選びができました。
余談になりますが、アルコ&ピースの平子さんがYouTubeで金子眼鏡店での眼鏡選びを動画にされていたことがあります。その中に登場した店員さんの眼鏡愛がとにかく熱くて、思わず最後まで観てしまいました。「こんなに眼鏡が好きな人がいるお店なら、自分に似合う一本を一緒に探してもらえそうだな」と思ったほどです。
このフレームを長く使うために
高価なフレームだからこそ、日々のケアが長持ちの鍵です。眼鏡専門家も愛用するアイテムを3つご紹介します。
フレームの艶を守る(セルロイド・アセテート素材向け)
セルロイドやアセテートのフレームは、使い続けると表面が白くくすんでくることがあります。眼鏡専門ブランドDJUALのポリッシングクリームを使えば、自宅で新品のような艶を取り戻せます。
ご注意: マット加工(艶消し加工)を施したフレームには使用できません。また、レンズ部分には絶対に使用しないでください。ご使用前にフレームの仕上げをご確認ください。
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レンズを毎日清潔に
世界的光学ブランドZEISSの個包装ワイプは、全世界で年間10億個販売されている定番品。外出先でもすぐに使えて、コーティングレンズを傷めません。
ご注意: コンタクトレンズには使用できません。レンズにゴミや砂粒が付着した状態で拭くと傷がつく恐れがあります。使用前にレンズの表面をご確認のうえ、開封後はすぐにご使用ください。
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ご注意: Amazon等では中国製の類似品が流通しています。正規品の春日(KASUGA)製品はパッケージおよびクロス表面(光沢面)に「春日」または「KASUGA」のロゴが入っています。ご購入の際は販売元が「春日」であることをご確認ください。
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まとめ:金子眼鏡は「眼鏡に投資する」という選択を後押しするブランド
金子眼鏡は、1958年の創業から自社デザイン・自社工場・自社販売という一貫したこだわりで成長してきたブランドです。鯖江の自社工場「BACKSTAGE」で生まれるフレームは、分業制が当たり前の業界において異例の品質管理のもとに作られています。
KC・KV・SPIVVYの各シリーズから、泰八郎謹製をはじめとする職人シリーズまで、選択肢の幅も広く、初めての高品質フレームから職人作品まで対応できます。価格帯は30,000〜70,000円以上と幅があるため、まずは直営店で試着してみることをおすすめします。
「長く使える眼鏡を1本選びたい」「鯖江の職人の仕事に触れたい」という方は、ぜひ金子眼鏡の直営店に足を運んでみてください。
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