「眼鏡フレームの仕上げ」という言葉を聞いたことはありますか?カタログや店頭で「マット仕上げ」「グロス仕上げ」「七宝加工」「PVDコーティング」などの言葉を目にしても、何が違うのかよく分からないという方も多いと思います。私自身、眼鏡を選ぶときに「なんとなくデザインで選んでいた」だけでした。このページでは、そんな私たちが「ちょっと詳しくなれる」ように、フレームの仕上げについて一緒に学んでいきましょう。
このページについて
このページは「フレームの表面仕上げ(コーティング)」についての解説です。レンズのコーティング(ブルーライトカットや傷防止など)とは別の話になりますのでご注意ください。
眼鏡フレームの「仕上げ」とは何か?
レンズのコーティングとは別の話
眼鏡を選ぶとき、「コーティング」という言葉はよくレンズの機能(ブルーライトカット・防傷・反射防止など)を指すことが多いです。でもここで話す「仕上げ」は、レンズではなくフレーム(枠)の表面の話です。
フレームの表面仕上げとは、プラスチックや金属でできたフレームの「見た目の質感」や「光沢感」を決める表面処理のことをいいます。同じ形のフレームでも、仕上げが違うだけで印象はガラッと変わります。
なぜ仕上げが存在するのか
仕上げが存在するのには、大きく2つの理由があります。
- 見た目の印象をつくるため:光沢感・質感によって、同じフレームでも「カジュアル」「フォーマル」「アート的」など、まったく違う雰囲気を演出できます。
- フレームを保護するため:表面処理を施すことで、傷や腐食からフレームを守る役割も担っています。
つまり、仕上げは「見た目と耐久性の両方を決める大切な要素」といえます。
私自身も、お店でスタッフさんからマット仕上げの眼鏡を勧めてもらったことがあります。「落ち着いた印象が出ますよ」というひと言でしたが、最初は「眼鏡の存在感が思ったより前に出るな」と少し戸惑いました。
ところが、髪型や服のコーディネートを全体で整えていくと、不思議とすごくおしゃれに見えてくるんです。今ではすっかりお気に入りになって、マット仕上げの眼鏡を2本持っています。
ちなみに個人的な「夢の1本」はジャックデュラン(Jacques Durand)のマット仕上げ。まだコレクションに加えられていないのですが、いつか手に入れたいと思っています(笑)。
仕上げの種類と見た目・印象の違い
ここから、代表的な4種類の仕上げを一つずつ見ていきましょう。
グロス仕上げ(光沢あり)
グロス仕上げは、フレーム表面を滑らかに磨いて光沢感を出した仕上げです。
見た目は光が反射してピカッと輝くため、華やかさ・きちんと感が出ます。プラスチック(セル)フレームの場合、職人が手作業で研磨することで「奥深い艶」が生まれるともいわれています。特にセルロイド素材のフレームは、手研磨によって独特の光沢が出るため、ハイエンドなフレームに多く採用されています。
こんな人に向いています:
- フォーマルシーンで使いたい方
- 華やかさ・上品さを出したい方
- 古典的なスタイルが好きな方
マット仕上げ(艶消し)
マット仕上げは、フレーム表面に微細な凹凸をつけることで光を乱反射させ、艶を消した落ち着いた質感を出す仕上げです。
光沢がないため、カジュアルでこなれた印象を与えます。近年のトレンドと相性がよく、シンプルなコーデに馴染みやすいのが特徴です。セルフレームの場合は、塗装後にマット加工を施すことで艶消しを実現しています。なお、一度マット化したフレームを磨き直すことで、グロスに近い状態に戻すことも可能な場合があります。
こんな人に向いています:
- カジュアル・ナチュラルなスタイルが好きな方
- 落ち着いた印象にしたい方
- 個性的すぎない無骨なかっこよさが好きな方
七宝(しっぽう)加工
七宝加工は、フレームに樹脂(エポキシ樹脂やアクリル系樹脂)と着色料・硬化剤を混ぜたものを流し込んで焼き付ける、手工芸的な技法です。
なお、ここで言う「七宝加工」は陶芸やアクセサリーでよく知られる「七宝焼き(ガラス質のエナメルを焼き付ける技法)」とは別物です。眼鏡フレームの七宝加工は樹脂を使ったもので、鯖江の職人技術が最高峰とされています。
技法としては「研ぎ出し七宝」(樹脂を流し込んで磨き上げる)と「あげ七宝」(最終研磨後に模様をつける)の2種類があります。各メーカーは色のレシピを30年以上前から専用台帳で管理しており、職人の感覚と技術が不可欠な工程です。海外では、チタンフレームの七宝加工はほとんど見られず、日本の鯖江ならではの技術です。
仕上がりは独特の深みのある色合いで、大量生産では再現しにくい「職人の手仕事感」が漂います。
こんな人に向いています:
- ひとつひとつ丁寧に作られたものが好きな方
- 個性的なカラーやデザインを楽しみたい方
- 日本製・鯖江産の眼鏡に興味がある方
正直に言うと、七宝加工の眼鏡はまだ手に入れたことがありません。ただ、YouTubeで商品を紹介している動画を見たことがあって、画面越しでも深みのある色合いがしっかり伝わってきたのは驚きでした。日本の工芸品に近い高級感があって、「眼鏡がアート作品になる」感覚ですよね。
ひとつ懸念しているのはレンズの厚みです。七宝加工はメタルフレームとの組み合わせが多い印象なので、度数によっては厚みが出てしまわないか気になっています。とはいえ、いつか実際に店頭で手に取ってみたいと思っています。
PVDコーティング
PVDコーティングとは、Physical Vapor Deposition(物理気相成長法)の略で、高真空中で金属原子をイオン化してフレーム表面に薄膜を生成する技術です。
少し難しく聞こえますが、簡単にいうと「真空の中で金属を蒸発させてフレームにコーティングする」イメージです。低温(400〜600度)で成膜できるため、素材が変形するリスクが低く、チタンやステンレス素材への適用が一般的です。
見た目としては、メタリックな輝きと高い耐傷性が特徴です。傷がつきにくく、色落ちもしにくいため、長く使いたい方にも向いています。ゴールド・シルバー・ブラックなど、発色のバリエーションも豊富です。
こんな人に向いています:
- メタルフレームが好きな方
- 傷がつきにくく長く使えるフレームを求めている方
- スタイリッシュな輝きが欲しい方
素材によって仕上げの特徴が変わる
仕上げの種類は同じでも、フレームの素材によって仕上がりの印象が異なります。
セルフレームの仕上げ
セルフレーム(プラスチック系)の場合、グロスとマットの両方が得意です。
グロスはセルロイドやアセテートの研磨によって生まれる独特の艶が魅力で、素材そのものの透明感や深みを活かせます。マットは塗装後のサンドブラスト処理などでつくられることが多く、ざらっとした質感が出ます。また、七宝加工はセルフレームとの相性がよく、カラフルなモデルに多く見られます。
メタルフレームの仕上げ
メタルフレームの場合、PVDコーティングやグロス研磨が代表的です。
チタン素材は軽くて強い一方、カラーバリエーションが出しにくいという特性があります。そのためPVDコーティングで色と光沢を加えるケースが多くあります。マット仕上げも存在し、サンドブラストやヘアライン加工によってつや消しにしたものもあります。同じシルバーでも、グロスとマットでは与える印象がかなり違います。
どんな仕上げが自分に合う?選び方の考え方
仕上げに「優劣」はありません。自分のライフスタイルやスタイルの好みで選ぶのが一番です。
カジュアルに見せたいならマット
マット仕上げはざらっとした質感が「作り込んでいない自然体」の印象を与えます。私服・カジュアルコーデとの相性が特によく、最近のトレンドとも合わせやすいです。
きちんと感・華やかさを出したいならグロス
グロス仕上げの光沢感は「きちんとした印象」や「晴れやかな雰囲気」を演出します。スーツやフォーマルな場面での着用にも向いています。
こだわりや個性を出したいなら七宝・PVD
七宝加工やPVDコーティングは、フレームの個性を一段引き立てます。七宝は「職人の手仕事感・温かみ」、PVDは「金属のスタイリッシュさ」という方向性の違いがありますが、どちらも「眼鏡をファッションとして楽しみたい方」に向いています。
私はマット仕上げの眼鏡を2本持っているのですが、コーディネートをちょっと工夫するだけで「おしゃれ見え」するのが最大の魅力だと感じています。ファッションとして眼鏡を楽しむ入口になってくれた仕上げです。
グロス仕上げの艶感も、本当に良いものは「見ていて飽きない」くらいの美しさがあります。柄・透明感・艶のすべてが揃ったフレームは、一目でその違いが分かるんです。眼鏡好きにはたまらない瞬間ですよね。
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まとめ:仕上げを知ると眼鏡選びが変わる
眼鏡フレームの仕上げには、グロス・マット・七宝加工・PVDコーティングなど、それぞれに異なる表情と特徴があります。知らなくても眼鏡は選べますが、知ることで「なんとなく好み」から「理由のある好み」に変わります。
- グロス:光沢・華やかさ・きちんと感
- マット:艶消し・落ち着き・カジュアル感
- 七宝加工:職人の手仕事・個性的なカラー・日本の技術
- PVDコーティング:金属の輝き・耐傷性・スタイリッシュさ
次に眼鏡を選ぶときは、ぜひフレームを手に取って「この艶感、好きかも」と感じてみてください。そのひと感覚が、仕上げを意識した眼鏡選びの第一歩になります。
眼鏡の基礎知識をもっと学びたい方へ
- 眼鏡の選び方 完全入門 ― 眼鏡選びの全体像をつかみたい方に
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