「テンプルを折りたたんだとき、なんかパタンと閉まりすぎる気がする……」そう感じたことはありませんか?「ひょっとしてネジが外れるんじゃ」と少し不安になりながらも、「こんなことで眼鏡屋さんに行くのも気が引ける」と思ってそのままにしてしまいがちです。この記事では、自分で解決できる範囲と、専門店に任せたほうがいいサインを整理します。
メガネのネジが緩んでくる、これってよくあること?
テンプルがパタンと閉じる……それがネジ緩みのサイン
メガネのテンプル(つる)の根元には、丁番(ヒンジ)と呼ばれる開閉パーツが付いています。そのヒンジを固定しているのが、小さなネジです。
ネジが緩んでくると、テンプルを折りたたんだときに「カクカクする抵抗感」が薄れ、「パタン」と勢いよく閉じるようになります。逆に、開いたときにフラフラする感覚が出ることも。「なんか最近テンプルがすっと閉まりすぎるな」と感じたら、ネジ緩みを疑ってみてください。
ヒンジの構造については、こちらの記事も参考にどうぞ。
実は私も、テンプルが「パタン」と勢いよく閉じたときに「えっ、外れるかも」とヒヤッとした経験があります。そのまま様子を見ているうちに、実際にネジが外れてしまったこともありました。メガネのネジはとても小さいので、外れると高確率でどこかに行ってしまいます。結局そのときは、眼鏡屋さんで部品交換をしてもらう形で対応しました。
なぜネジは緩んでくるのか——振動・使用頻度・経年の関係
ネジが緩む原因は、主に3つです。
- 使用頻度による微振動:かけ外しのたびにテンプルが動き、その繰り返しがネジをじわじわと緩めます
- 温度変化による膨張・収縮:フレームの素材は気温によって微妙に伸縮します。特に夏・冬はこの影響が出やすいです
- 素材の経年変化:ネジ穴が少しずつ広がり、ネジが「効かなく」なるケースもあります
これはどんなメガネでも避けられない自然な現象です。「ちゃんとケアしていなかったから」と気に病む必要はありません。
「眼鏡屋さんに行くほどでもない」は正しい判断?
ZoffもJINSも公式に「自分で締めても問題ない」と言っている
結論からいうと、「ネジを締め直すだけなら自分でやっても大丈夫」が業界の標準的なスタンスです。
Zoffは公式サイトで「ネジを締めるだけであれば自分で調整しても問題ありません」と明記しています。JINSも自社メディアで精密ドライバーを使った自己対応の手順を紹介しています。「眼鏡屋さんに行くほどでもない」という感覚は、意外にも正しかったりします。ただし、道具をきちんと選び、丁寧に操作することが前提です。
自分で対処しやすいケース・しにくいケースの違い
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| ネジがゆるんでいるだけ(ネジ頭がまだ生きている) | 自分で締め直せる可能性が高い |
| ドライバーをあてると滑る・空回りする感触がある | ネジ頭が傷んでいる可能性。専門店へ |
| ネジが完全に外れて紛失した | 同サイズのネジが必要。専門店が確実 |
| フレーム自体に歪み・変形がある | 単純なネジ問題ではない。専門店で見てもらう |
自分でネジを締めるときの道具と手順
必要なもの:精密ドライバーのサイズと選び方
メガネのネジには一般的なドライバーは使えません。専用の「精密ドライバー」が必要です。
よく使われるのはプラス(+)の「#0」または「#00」サイズ。ホームセンターや100円ショップでも手に入ります。ただしメガネのネジはモデルによってサイズが異なるため、実際に試して「ピッタリ合うもの」を選ぶのが基本です。セットタイプを1本持っておくと便利です。
メガネのズレが気になる方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。
カムアウトとは何か——ネジ頭の溝が削れてしまう現象
精密ドライバーを使っていても、やり方を誤ると「カムアウト」という現象が起きることがあります。
ドライバーを回す際に先端がネジの十字穴から押し出され、ネジ頭の溝が削れてしまう現象です(工具業界で「cam-out」と呼ばれる正式な技術用語です)。こうなるとドライバーが噛まなくなり、ネジをまったく回せなくなります。「ネジ頭が馬鹿になってしまう」という表現を聞いたことがある方もいると思いますが、まさにその状態です。
カムアウトを防ぐには、「押す力を7割、回す力を3割」を意識することが大切です。
基本の手順:「押す力が7割」で慎重に
- メガネを安定した場所に置く(折りたたんだ状態が安定します)
- ネジに合うサイズの精密ドライバーを選ぶ
- ドライバーをネジ穴にまっすぐ当てる(斜めに入れない)
- 押す力を強めに、ゆっくりと時計回りに回す
- 少し締まったら、テンプルを開閉して確認する
- きつく締めすぎず、「程よく固定された感覚」で止める
実は私も、「それなら自分で締めればいいのでは」と挑戦したことがあります。ただ、メガネのネジは本当に小さいので、力任せに回すとネジ頭の溝が削れてしまい、回せなくなってしまったこともありました。結局そのときも、眼鏡屋さんで部品交換をお願いすることに。「じゃあどっちがいいの」と思われるかもしれませんね。個人的には、ゆるみがそこまで進んでいないうちに、ドライバーで軽く仮締めしておき、あらためて眼鏡屋さんできちんと締め直してもらうのが一番だと感じています。「ネジのゆるみだけでお店に行くのは気が引ける」という気持ちもよくわかりますが、愛着を持って使い続けるなら、こまめなお手入れを心がけたいところです。私自身、お手入れだけで眼鏡屋さんに行って嫌な顔をされた経験は一度もありません。お互い眼鏡好き同士、次に買う眼鏡の話で盛り上がることも多く、お店の方にとっても次の購入のきっかけになっているのかもしれませんね。
専門店に持ち込むべきサインはこれ
ドライバーが空回りする——カムアウトが起きた可能性
ドライバーをあてて回してみたとき、「滑って全然締まらない」「空回りする」という感触があれば、すでにカムアウトが起きてネジ頭が傷んでいる可能性があります。
こうなると自分での対処が難しくなります。無理に続けるとネジ穴まで傷つけてしまうリスクがあるので、この時点で専門店に相談しましょう。
ネジが完全に外れた・フレームに歪みがある場合
ネジが取れてしまった場合は、そのネジのサイズと合うものを用意する必要があります。メガネ用のネジは直径1mm前後・長さ2〜3mm程度が一般的ですが、ブランドやモデルによって異なります。専門店で見てもらうのが確実です。
フレーム自体に歪みがある場合は、ネジを締めるだけでは解決しません。フィッティング調整も必要になるため、専門店でまとめて見てもらうのが早いです。フィッティングについてはこちらの記事もご参考に。
「無料でやってもらえる」を知っておくと気が楽になる
眼鏡のネジ締め・調整は、多くの大手チェーンでは無料で対応してもらえます。JINSやZoff、OWNDAYSなどでは、ネジの締め直しやフィッティング調整を無料サービスとして案内しています。
「こんなことで持ち込んでいいのかな」と遠慮する必要はありません。定期メンテナンスのついでに気軽に立ち寄る感覚で利用してみてください。
ネジが緩む頻度が増えてきたと感じたら、フレームの寿命を見直すサインかもしれません。「メガネの寿命はどのくらい?」もあわせてご覧ください。
私自身は、ネジの締め直しをお願いするとき、内心では「有料だろう」と思って店頭に向かうことが多いです。すぐに終わる作業とはいえ数百円くらいはかかるだろうという気持ちで「おいくらですか?」と聞くのですが、ほとんどの場合「いただいていませんよ」と言っていただけます。それでもお店の方の時間を使わせてもらっているので、私はいつも「有料の可能性がある」という前提でお願いするようにしています。余談ですが、持ち込みのフィッティング対応は、お店ごとに考え方が分かれる印象です。破損のリスクを理由にお断りするお店、1,000円程度の料金でサービスとして受けてくれるお店、リスクを説明したうえで了承を得てから無料で対応してくれるお店など、方針はさまざまです。私の肌感覚では、リスクを説明したうえで無料対応してくれるお店が一番多いように感じています。
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まとめ——ネジひとつ、でも大事
メガネのネジ緩みは誰でも経験する自然な現象です。「ネジを締め直すだけなら自分で対応できる」という認識を持っておくと、焦らずに済みます。
ただし、カムアウト(ドライバーが滑ってネジ頭の溝が削れてしまう現象)のリスクがあるため、正しい道具と手順が大切です。「押す力を強め、ゆっくり丁寧に」を意識してみてください。
ドライバーが空回りする・ネジが取れてしまった・フレームに歪みがある——こうしたサインが出たら、無理をせず専門店へ。大手チェーンでは無料で対応してくれることが多いので、気軽に頼ってみてください。
「ネジひとつで眼鏡の使い心地が変わる」——そう思うと、小さなメンテナンスが少し大切に感じられませんか?
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